◆◆◆◆◆『無職』が『女子高生』とぶつかったら『ミニ四駆』をはじめる事になった件⑤◆◆◆◆◆
「モーターは赤と黒いやつ……使っていいんですか?」
子供の頃の記憶にある最速のモーターだ!
「赤と黒のやつ? ってハイパーダッシュですか?」
「ああ! そうハイパーダッシュ!」
赤い髭のおじさんのカートゲームのイメージでいうと、さっきまで使っていたモーターが50ccのカートで、今言っているのが150ccクラスの高速モーターだ。
このモーターさえあれば、速度負けはしないだろう!
「昔はレースでは使えなかったですけど、今の公式戦レギュレーションで使っても大丈夫ですよ」
よし! このモーターさえあれば戦える!
「でも、赤と黒のハイパーダッシュは古すぎて、さすがにうちでは扱ってないです」
「まじかぁ……」
速いモータがほしいってのに……
「今は、デザインが一身されて、赤色と銀色なってますけどね。
純が使ってたのがそれになりますね」
あれがハイパーダッシュだったのか! どうりで速いはずだ。
でも、同じモーターで勝負なんてしようものなら、勝負がつかない!
やっぱり圧倒的な速度で勝ちたい!
「ハイパーダッシュより速いモータって無いんですか?」
「あることは……ありますよ」
「!?」
よしきた! それ以上のモータがあったとは!!
確かに、あの当時でも他社製品の高速モーターはたくさん売っていた気がするけれど……
公式でも、そんなモーターを売り始めたのか。
ミニ四駆事情は、色々変わってるんだな。
「そういえば、さっきレギュレーションとか言ってたけど、どんな条件なんです?」
「えーっとですね、車体の大きさとか高さとか、公式ルールでは規定があります」
そう言うと、おねぇさんはミニ四駆サイズの透明の箱を取り出す。
「大雑把に言いますと、この箱の中に納まって、地上最低高は1mm、ローラーは6つまでつける事ができるというのがレギュレーションですね。
他にも、細々としたレギュレーションはありますが、タミヤのサイトを確認してもらえば大丈夫です」
おねぇさんの話を元に、幼少期の記憶を呼び起こしながらパーツを選ぶ……