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◆◆◆◆◆提灯カップが終わったら……◆◆◆◆◆

提灯カップが終わったので

「最初に帰ってきたのはサンダーショットだぁーー!」


「おめでとーーーー!」


二つ星さんの声と同時に大きな炸裂音が響いた!

うわっつ! なんだコレ!?

紙テープ!? バズーカークラッカーってやつか!?


「優勝は、サンダーショットの弾選手!!」


それと同時に盛大な拍手が響いた。


えっと、まっ、マジか!?

オレ……勝ったのか?


「おにぃさーーん! おめでとーーーー!!」


その声をきっかけに、一緒に戦ったみんなの声が重なって聞こえる。


「よっしゃあああああーーーーー!!!」


思いっきりガッツポーズを決めて声を上げた。


そして会場内の拍手が更に大きくなった。


オレの横に立っているスメラギさんがスッと手を出す。

それに手を重ね握手をする。

そして、マリコさんも、手をだしてきた。

これは、握手ってことだよな?

そして、その手を握る。


「ありがとう……最後にお前とレースができて良かった」


……ん?


握手を一通り終えたタイミングにあわせて、二つ星さんがアナウンスを続ける。


「それでは表彰式をはじめます!!」


そうして、夜になっていく中、表彰式は無事に進行していった。



表彰式は無事に終了し、上位の選手に商店街から色々な賞品が手渡されていた。


「師匠くんは、何もらったんです?」


「エットデスネ、商店街の商品券ト、」


純香ちゃんのドギマギ答えようとしている間に割って入ってくる剛君。


「みてくれよ! みてくれよ! こんないーもんもらったぜ!!」


「じゃーーん! 電動ドリルだぜ電動ドリル!」

と、賞品を貰ってうれしそうな剛くん。


「いいなぁ! オレも電動ドリル欲しいなぁ。ピンバイスで穴をあける事はできるけど

 結構時間かかるんだよな」


といっても、絶対必要かといわれると微妙なところで…。


「お前そんなの、貰って大丈夫か?」


列君が、半分あきれたような表情で質問する。


「これさえあれば、マシンをどんどん軽く出来るぜ!」


「……絶対穴あけすぎて失敗するパターンだ」


「だいじょーぶだって! そういうアニキはなにもらったんだよ?」


「商店街の商品券と、産みたて卵……」


「たまご? ハズレだな」


美味しそうだけど、可愛そうに。


「ちょーーっとまって、それって伝説級の卵じゃない!?」


と入ってくるのは純香ちゃん。


「生みたて卵。確かかなり美味しくて、値段が凄かった気がする。

 10個で確か1万円越え……」


マジか、10個でオレの日当より高い。

…………なんか人生つらくなってきたわぁ。


「アニキ…オレにも」


「ハズレなんだろ?」


「ぐっ、でも」


半泣きの剛君。


「わかった、わかった泣くなって! 家帰ったら母さんに卵焼き作ってもらって一緒に食べよう」


「さっすがアニキ! 尊敬してるぜ!」


「まったく調子良いんだから。で、弾さんは、何をもらったんですか?」


「オレか? 表彰状と商品券と、ゲーセンでしか手に入らない限定キット」


「うおっ! オレも欲しい! 」


じーっとマシンを見る剛くん。


「……アニキから貰った卵と交換で!」


「コラ! 剛!!!」


……どっちの方が価値あるんだろう。


「で、レイさんは?」


「殆ど変わらないよ、商品券と、見ての通りメロンのセット」


「じゃあ次は…って、みんな見たまんまだね」


それぞれ、簡易包装された食べ物やら、キッチングッズやら色々渡されていた。


そんな話をしていると

ピンポンパンポーーンと商店街の中で放送が響いた。


「お祭りを楽しんでいただいたみなさんに、サプライズがあります!

 今より1時間後、本当に少しだけですが大川で 花火を打ち上げます。

 近くで花火を見たい方は警備員の方の誘導に従って奮ってご参加ください。」


「すげぇ! マジで花火!?」


「なんか川近くに警備が多いなって思ってたらそういう事だったのか」


大喜びをする剛君に答える列君。


「二つ星さんが今回のイベント手伝う条件にってことで、フィナーレとして準備してたんだ。」


「あの人ゲリラ的にイベントするの好きみたいで、

 この前なんて最新ゲーム機を配るイベントをやったとか言ってたし」


「今回は、せっかく自主的にお祭りやるんだから、予算が許す限りやれる事やろうぜって話で

 こうなったんだ」


「花火大会ですか、懐かしいですね。景気が良かった頃は、やってたんですよ。最近はなかなか出来なかったみたいです。」


「へぇーー。楽しそう!! アタシ見たことないや」


と口にした源さんに純香ちゃんがうらやましそうに答える。

花火大会、ホント懐かしい。


「オレの子供の頃まではやってたなぁ、確か塾サボってこっそり見に行こうとしてたなぁ」


「うっわぁーー悪いんだーー。」


純香ちゃんが、笑いながらオレを指差す。


「そら、仕方ないよ約束してたんだしさ。」


「おにぃさん不良息子だったんだーー」


「不良じゃないって、結局は、母ちゃんに見つかって塾に連れ戻されたし」


「ププッ。悪人のほうの不良じゃなくって、何もできない人畜無害の不良品のほうなんだぁ」


オレを見ながら更に笑い、一通り笑い終えたあと、


「せっかくだし皆で、一緒に行こっか?」


と皆を誘った。


「ゼヒトモ、オネガイシマス」


その言葉にカチコチで答える師匠。


「あれ? アニキ? そういえばねーちゃんは?」


「ほんとだ。先に帰ったのかな?」


「もったいないな、せっかくの花火大会なのに」


普通に考えれば、帰ってる気はするけど……まさかな。


「オレちょっと探してくるわ」


そう言って、探しに行った。


多分次話で最終回。

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