提灯祭カップ開催! 決勝Bブロック4
新年明けました!
師匠のレースがおもったより長く書くことになっちゃいましたが
ゆっくり、まったりと書くにはこれもまた良しです。
「知っているかとはおもいますが、
同じハイパーダッシュモータであったとしても
個別に速度が変わってくるんですよ」
「個別って……1個づつ違ってくるって事ですか?」
「ええそうです。人の容姿や能力が一人づつ違うのと同じで
モーター自体も個別に少しずつ違ってくるんですよ」
「その中で、モーターを選別しているんです」
「選別っていったって、どうやって?」
「色々とあるんですが、基本は回転数が高いほど速くなります」
「回転数を計るには専用のアプリがあったりするんです」
「じゃあ、アプリを使って回転数の多いモーターを選べば速くなるって事ですね?」
「基本はそうなんですが、自身のマシンとコースに合わせてモーターを使うべきなんです」
「経験はしたことあるでしょう? 速すぎてコースアウトしてしまうって事を」
「……まぁ。確かに。」
「そう言う意味では、師匠はすごいですね。今回のコースにあわせて
当たりモータでギリギリの速度で走れるセッティングをするなんて」
「モーターに合わせてセッティングって……ミニ四駆深い」
でも……中学生がモータを何個も買うのって結構辛そうだけど。
……きっと色々な方法で手に入れたんだろうな。
「ブラックセイバーがジアルプスをかけ上がる!」
「登り切れるかぁああ!」
「そして、見事にクリア!」
「しかし、ここでブラックセイバーとアバンテの順位が入れ替わり、
ダイナホークを先頭にアバンテとブラックセイバーの順で走る!」
「ロングストレートに入ったダイナホーク!」
「それを追い掛けるアバンテがブラックセイバーとの差を広げながらじりじりと差を詰めていく!」
「ロングストレートからのドラゴンバックへとはいったダイナホーク!」
「これを見事にジャンプ! そしてオフロードエリアに着地に成功!」
「続く2台のマシンもこれを見事にクリアし3週目へ!」
「3つのウェーブをキレイに抜け、3週目のドラゴンバック!」
「三台ともキレイに着地に成功!!」
「そして、ジアルプスへと駆け上がっていく!」
「おおっとこれは凄い! 先頭を走るダイナホーク! アバンテとの差を少しずつ広げていく!」
「え!? どういうこと? これって師匠のモーターより速いって事?」
1週前では師匠のマシンの方がはやいはずだったのに……
「・・・まさか、本当にこういうものが見れるなんて思いませんでした」
「ブレークインを上手くやったらそういう事があるとは聞いていますが……」
「ブレークイン?」
「あーっ、ブレークインっていうのはですね。
モーター慣らしのことです。」
「確か、子供の頃に読んだ本でそういう事を聞いたことがある。
モーター慣らしでしたっけ?」
「ええ、そうです。モーターを慣らすことで、電気の通る端子の
接点部分……角ばったカーボンですが、
それを軸にあわせて削って、接点の面積を増やすって事です」
「接点がきれいに慣れることで通電性がよくなり速度があがるそうです」
「ブレークインの仕方は色々とあって皆さん研究されているようで、
水中で慣らすほうがよかったりとか、低速で長時間回すのがよかったりとか
色々あるみたいです」
「いろんな方法があるんですね」
「にしても、あのダイナホーク凄いです。途中で速度が大きく変わるなんて……」
「噂で聞いた事はあるんですが、ろうそくの火が消える直前に燃え上がるように、
通電用カーボンが削って最大面積で接していながら
接点圧が弱くなる寸前、そのモーターでの速度が最高潮になるらしいんです」
「だから、あのバーティカルチェンジャーを勢い良く登りきったんですが」
「……どうやったら、そんな事できるんだよ!」
そう言った、ダイナホークが瞬間勢いよくバーティカルチェンジャーを走り抜けた。
皆さんにとって楽しいミニ四駆ライフが過ごせますように!