◆◆◆◆◆『無職』が『女子高生』とぶつかったら『ミニ四駆』をはじめる事になった件①◆◆◆◆◆
ミニ四駆の奥深さにはまってしまった作者が、
ミニ四駆の奥深さとを描けたらなと思って書いています。
「1260円になります」
「まじかぁーーー」
その悲鳴で、さっきまで、ニコやかだった店員の顔が曇る。
この金額にしかならないのだから、悲鳴を上げたくなる。
もともと、この携帯ゲーム機なんて2万円近くで買ったんだぞ!
上位互換のゲーム機が出ただげで、たった300円にしかならないなんて信じられない!
しかも、一緒に売ったガンプラより安いときてる。
「どうされますか?」
しかし、この金がないと、これから一週間まともに生き延びることができない。
その一週間を生き延びないと……給料が入ってこない。
「……もう少し高くなったりしませんか?」
「こちらで販売している価格が、そちらの価格となりますので」
白々しいまでの笑顔の店員が手を伸ばした先は890円。
いや、分かってるよ。どこで売っても、それくらいの金額にしかならない事は。
「……それで、お願いします」
買い取り申込書に『進藤 弾』と名前を書いたあと、ハンコを押し書類を渡す。
さよならゲーム機、こんにちは1260円。
店を出た直後に目に入る夕焼け、はぁ~目にしみるなぁ~~。
3ヶ月前に無職になって、『仕事ぐらい簡単に見つかるだろう』
と高をくくって適当に探してみたものの、特段これといって、手に職をもっていない30歳手前のオッサンが、割の良い仕事をを探そうとしても、そう簡単にありつけるわけでもなく……
ド短期バイトで間を繋ぎながら少しずつ貯金を崩しながら生活していたら、ほぼほぼ一文無しになってしまた。
そして今日の売値が1260円。
売った本の冊数は100冊ぐらい、更にはガンプラやゲームソフトまで売ったのに!!
今日の12星座占いでは、ふたご座は一番良い運勢で、金運◎って言ってたから売りにきたもののこの金額、俺がこれだけ悪いんじゃ、他の星座の人間はどうなっちゃうんだよ!
はぁ~~~なんか疲れた。
店の外にあった当たりつき自販機の前で、両手のひらに100円玉を挟んでみる。
ここで良い事が、なければもう二度度占いなんて信じないぞ!
「神様、100円様! どうか当たりますように!」
あっ
待ってください!!
100円様が手の平からこぼれ落ちて、転がっていく!
「何が12星座占いだぁああああ!!」
必死に追いかける俺!
道路の端へと転がり逃げる100円様!
100円様が小石に躓き軌道が変わり道路の溝のふたの穴へと飛び込もうとするが、それより一瞬早く手を伸ばす!
「とったぁあああああああ!!」
100円様を掴んでガッツポーズを決めた瞬間、目の前をフラフラと走る大きな箱を載せた自転車が突撃してくる……
100円様の軌道を読んだ俺の観察眼をもってすれば、これぐらい簡単に避けられ!
「えっ、えっ!? なんでそっちに!?」
俺が避けた先と同じ方向に自転車が進み、ぶつかってきた。
「いっったーーーい!」
制服を着た女の子が叫ぶと同時に、あたりには、大きな箱と大量の玩具が散らばった。
毎週金曜日の夜に更新できるといいなとは思ってますので、
もしよかったら、引き続きお読みください。
って、まだ登場人物しか出てきてないけど。