○月 ×日
待たせたな(ス◯ネーク風)
遅くなってしまって誠に申し訳ございませんでした!!
「セレナよ。」
「何ですか、お父さん?」
「人間の世界とはどんな物だ?」
「え?」
そんなこんなで始まった。魔物が人間の国に入ると言う前代未聞でほのぼのした理由の買い物。
行く先はこの世界では最大の国バベル。
そこで始まるのはただの買い物。
セレナ達は無事に買い物が出来るのか!?
「森を抜けて大体三時間か?」
「はい、それで合ってます。素の状態で人間そっくりなのでお父さんは変装は要らないですね。」
「そんなに似ているのか、我と人間の容姿は。」
彼の容姿は人間そっくり、寧ろ美形である。目付きは少々悪いが、身長は高く、体つきも俗に言う細マッチョで、適度に伸ばした闇色の髪とバランスの取れた顔の形は人々を魅了する。または魅了した。服は彼の魔物仲間であるアラクネに仕立てさせた特注品である。
セレナの方も中々の美少女である。服は拾って貰った頃から変わって無く、少々ボロボロだが、そんなことを感じさせない程に彼女もまた美形なのである。黄金色の長い髪と愛らしい顔は周りの視線を集めた。
「セレナよ。何故皆は我らを見ている?」
「それはお父さんがカッコいいからです。」
「カッコいい?それはどのような意味だ?」
「うーん…兎に角誉め言葉ですね。」
「フム、誉められるのは良いことだな。」
「そうですよ。(悪い人に騙されそう…私がちゃんとしないと!)」
「しかし、人間が多いな。目眩がしそうだ。」
「倒れないで下さいね?今日は買い物に来たんですよ?調味料があればもっと美味しくお肉を焼けます。」
「期待しているぞ?」
「頑張ります!」
セレナは気合いを入れるように拳を握って頷いた。
(我にこの娘の…セレナの世話が出来るだろうか…?)
(私にこの方…お父さんの娘になりきれるかな…?)
…似た者同士、似た者親子である。
「む、これは林檎か、こっちの橙色のは…」
「はい、蜜柑です、この辺りではよく採れます。」
「買うか?金はいくらか持っている。この果物は庭には無いからな。」
「そうですね、いくつか買っておきましょうか。あと、これとこれとそれも下さい。」
「は、はい、どうぞ!」
「ありがとうございます、お代です。」
「よし、香辛料とやらを買いに行くか。植物なのだろう?種ごと貰えれば良いが。」
「そこは交渉次第ですね、普通のお店には売って無いですし…。」
「ならば今回は止めておこう。交渉などは苦手だ。」
「なら今日は帰りますか?帰る時間を考えると暗くなってきますし。」
「よし、帰るか。」
特にアクシデント無く買い物できたのでした。