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出会いか、遭遇か、はたまた運命か?

 私は、私の家の庭を散歩していた。

 今となってはもうどうでも良いことだが、その出会いはまさしく、私の運命を変える出会いだった。



「娘、そこで何をしている。」


「?」



 遭遇と言った方が良いか?



   ***


「もう一度聞く、娘、そこで何をしている。」


「あの…何も知らなくて…その、歩いたら偶々当たっただけであって……他意は無いんです……すみません……誰かの敷地だなんて、本当に知らなくて…すぐに出ていきます!」


「いや、別に怒っている訳では無い。何をしていたのか聞いているだけだ。」


「その…た、食べ物を探していました…。」


「娘にも家族が居るだろう。このような所に年端のいかぬ子がくるでない。」


 この辺りは、よく魔物が出ると噂の森であった。実際魔物はよく出るし、凶暴なモノも多かったが、最近はめっきり出て来なくなった。魔王でも出たのか?と一時期人々は恐怖に震えたが、特に何も起こらず、人々はそんなことも忘れていった。


「……フム、もしや捨て子か?」


「…。」


「無言は肯定と取るぞ?」


「…う…うぅ………ぐす…お母さんが…口減らしだって……帰って来るな……って…。」


「そうか。」


「私は…どうすれば良いんでしょうか?」


「そうだな…いっそのこと魔物に喰われるか?」


 男はそう言って自分の口を大きく開いて見せた。


「…死ぬのは嫌です。」


「そうだろうな、どんな生き物も死ぬのは嫌だろうな。」


「でも……捨てられるのは、もっと嫌です。」


「フム、何故だ?生きている分良いではないか。」


「私、お母さんに捨てられた時、胸がギュウってなりました。とっても痛くて、そのまま泣いちゃう位、痛かったんです!」


「……。」


「あんなに痛い思いをするなら……!!死んでしまった方がましです……!!」


 その時、泣いている少女の後ろの茂みが派手に揺れ、雄叫びを上げながら飛び出した。


「ゴオオオアアアアア!!!」


「ひっ……!!」


 自分よりも一回りも二回りも大きな異形の怪物、魔物に腰が抜けてしまった少女に魔物はその強靭な爪を掻けようとした、その時


「娘、お前が大声を出すから仲間が来てしまったではないか。」


 瞬きをしない内に、魔物は茂みの中へ吹き飛んで行き、数瞬後にバキバキと木を破壊する音が聞こえた。少女は何が起きたのかサッパリだった。


「我が庭を荒らしおって…魔法を使っても修復は難しいのだぞ…。そもそも我が庭の近くで狩りをしていたとはな、庭が血で汚れたらどうするつもりだったのか。

 ああそうだ、大丈夫か、娘。」


「え?…は、はい。」


「うむ、これも何かの縁か。家に来い、しばらく家族ごっこでもするか。」


「は、はい?」


「別に太らせて喰う訳ではないぞ?お前が一人は嫌だと言ったからだ、我も、一人は飽きたからな…。」


(意外と面白い人(?)だな…)


 こうして、最強の魔物と少女の奇妙な暮らしが始まった。

単発です。


単発でした。


単発にしたかった……!


どうして、どんどんやりたい事が溢れるんだ……!

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