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11話:テメェら何してんだコラ

 ミリアを見かける数十分前。


「ゴブリン討伐してきたぞ。証の耳だ。受け取ってくれ」

「お疲れさんジーク。それじゃあこれ。今日の依頼報酬だ。ゴブリン討伐依頼で銀貨15枚。確認してくれ」

「おう。丁度銀貨15枚だな。確かに受け取ったぞ。それじゃあ帰るわ。またな。グラバール」

「あぁ。これからも頼むぜ。そんじゃあなー」


―― バタンッ!


 俺は冒険者ギルドの受付をしていたグラバールに依頼報酬の銀貨15枚を貰ってから出ていった。


 これで今日の仕事は終わりだ。それにしてもこんな早くに依頼が終わったのは久しぶりだな。


 いつもはもう少し歯ごたえのあるモンスター討伐依頼やら遠くの遠征依頼をするんだけど……まぁでも今は自宅に客人がいるしな。


 だからあんまり遅くまで仕事をしているのは良くないと思って、今日はなるべく簡単な依頼を引き受けたんだ。


 という事で今日の仕事は終わった事だし、さっさと帰って俺もミリアの裁縫の手伝いでもする事にしよう。


「……ん?」


 そんな事を思いながら帰路に付いていると、ふと何だか若い男女の賑やかな声が聞こえてきた。


 まぁまだ日は暮れてないし、若いヤツらが遊んでる時間帯ではある。だから賑やかな声が聞こえるのは不思議ではないのだけど……でも何だかそれは遊んでるような声質ではなく、喧騒の声に聞こえた。


 なので俺はその喧騒の声が聞こえた方に顔を向けていった。するとそこには……なんとミリアが立っていた。


「……何してんだアイツ?」


 ミリアは大きな紙袋を抱えている。おそらく昼飯を買いに行ってた途中って事だろうな。


 そしてミリアの目の前には三人組の若い男女はニヤニヤと笑いながら立っていた。


 そいつらの見た目はミリアと同じくらいの年齢に見える。そして学生服を着ている。という事はつまりミリアと同じ学園の生徒という事か?


「まぁニヤニヤと笑ってる時点で第一印象は良くねぇな。何だアイツら……って、あ……」


 俺はふいに見てしまった。ミリアが泣いていた。どうやらミリアはアイツらに何か酷い事でも言われているようだ。何だよ。弱い者いじめでもされてんのか?


「今時イジメなんてクソダセェ事は孤児院にいる悪ガキ共ですらしねぇぞ。それなのにアイツらはどういう教育受けてんだよ。っち、仕方ねぇな……」


 俺は泣いてるヤツを放っておく程カスじゃねぇ。


 それに孤児院にいる悪ガキ共にいつもイジめなんてクソだせぇ事すんなって躾けてる身としては、そんなイジメてる現場を見かけたら仲裁しに行くのは当然だ。


 という事で俺はその喧騒に首を突っ込む事にした。


「おい。何笑ってんだテメェら」

「あはは……って、え?」

「あはは……って、わわっ?」

「え……ひ、ひぇっ!?」


 俺はその喧騒に近づき、すぐさま三人組の男女に向かって睨み付けながらそう言った。


 すると目の前の三人組の男女はちょっとビビった表情を浮かべながら急に狼狽え始めていった。


(まぁ俺も顔付きが若干悪いのは自覚してるけど、でもちょっと睨みつけただけでこんなにビビるなんて……こいつらどんだけヌルいんだよ?)


 俺はそう思いながら改めて目の前の三人組の男女を見た。身なりの良い制服を着た若いヤツらだ。やっぱりミリアの通っていた学園の生徒なんだろうな。


 という事はコイツらもそれなりに良い家柄の人間って事か? まぁそれじゃあヌルくて当然だな。


「……え? あっ……ジ、ジークさん……」

「おう。買い物中だったか? ミリア?」

「え? あ、は、はい……そうだったんですけど……」


 目の前の三人組の男女を観察していたら、ミリアが俺に話しかけてきた。やっぱり買い物中だったようだ。


 とりあえず俺は涙目のミリアの前に立ちながら目の前の三人組の男女に対峙していった。


「な、な、お、お前、ミリアの知り合いなのか……? そ、それじゃあお前も貴族なのか……?」

「はぁ? 俺が貴族? んな訳ねぇだろ。ってか一目見たら普通に違うってわかるだろ。こんな風貌の男が貴族な訳ねぇだろうがよ」

「あ、な、な、なんだよ……は、はは……ま、まぁでもそうだよな。お、お前みたいなヤバイ顔付きをしてる男が……お、俺達のような由緒ある貴族な訳がな――」

「あっ!? ちょ、ちょっと待ってよ、セ、セシル! こ、この男……ふ、服の至る所に……ち、血が付いてるわよ!? と、というか顔にも赤い血が付いてるわよ……!」

「えっ……って、わわっ!? ほ、本当じゃないか!? な、何でそんな大量の血を身体中に付けてるんだよ!? し、しかも腰には大きな剣を差してるし……い、一体何なんだよお前!? 俺達と同じくらいの年齢なのに……い、一体何してんだよ……? が、学生じゃないのかよ……?」


 突然目の前の三人組は、俺の風貌を見て恐怖の顔を浮かべながらそう言ってきた。


 まぁさっきまでゴブリンと戦ってたんだから、俺の身体にゴブリンの血が付着しているのは当然だ。


 でもコイツらは何だか変な思い違いをしているようだ。俺の風貌を見てコイツらは……まるで俺がクソヤバいタイプの人間に見えてるようだ。


 はは、そりゃあ都合がいいな。それじゃあ今のこの状況を利用して……コイツらにお灸をすえてやるとするかな。

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