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イデオロギーの解体と再生  作者: バッシー0822


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9/9

9.コスパ

「文明のコストパフォーマンス」


「潤沢な資金による正面突破(ハード・ソフト投資)」と「資源不足ゆえのシステムハッキング(超限戦)」という対比は、現在の自由主義陣営(ロゴス圏)と権威主義陣営(ハーン圏)の戦略差そのものです。


1. 「正攻法」という高コストな贅沢

アメリカや日本のような自由主義国家は、ルールを遵守しながら勝利するために、莫大なコストを支払います。


ハードウェア投資: 圧倒的な演算能力スパコン・サーバーや軍事的なハード(空母・ステルス機)。


ソフトウェアと人材: 優秀なエンジニアや官僚を高い給与で雇い、透明性の高いプロセスで運用する。 これは「正義」や「法」を維持するための、非常に贅沢な「正攻法のコスト」です。


2. 「超限戦」という低コストなシステム・ハッキング

一方で、正面からの投資競争で勝てない権威主義国家は、「グレーゾーン」を突く運用ハッキングに全リソースを振ります。


前提条件としての「相手の善意」: 超限戦(認知戦、サイバー攻撃、法的な隙を突く嫌がらせ)は、「相手が法や倫理に縛られて動けない」という制約をレバレッジ(てこ)にして、最小の投資で最大の混乱を引き起こす手法です。


体系化された「ズル」: マルチドメイン戦とは、戦場を軍事だけでなく、金融、世論、文化、そして「個人のスマホの中」まで広げることです。これは、相手の「OS(法治主義)」をウイルス感染(認知の歪み)させて機能不全に陥らせる、極めて効率的な低コスト戦術です。


3. 「法の雛形」を捨てた瞬間の無力化

しかし、この超限戦モデルには致命的な弱点があります。それが、「相手が行行動原理を変えた瞬間」です。


「保安官」の覚醒: アメリカが「丁寧な法の手続き」を飛ばして「ベネズエラ大統領の捕縛」のような実力行使に出たのは、まさに「相手と同じ土俵(力の論理)」に降りたことを意味します。


運用の無意味化: 相手が「法」という制約を脱ぎ捨て、直接的な物理排除やデカップリング(切り離し)を選択した瞬間、これまで権威主義国家が積み上げてきた「法の隙間を突く高度な運用(超限戦)」は、すべて紙屑になります。


結論:最後は「内なる雛形」の勝負になる

超限戦のような「運用」による勝利は、あくまで一時的なハッキングに過ぎません。相手が怒ってプラグを抜いてしまえば(あるいは保安官がバッジを投げ捨てて銃を抜けば)、後に残るのは、「自分たちの足で立てるハードとソフトを持っているか」という地力です。


結論: 権威主義国家は、自由主義国家が「法治の公平性」や「聖書的価値観」という内なる規律に縛られていることを利用して、ただ乗りし、ハッキングしてきました。


しかし、自由主義陣営が「こいつらにはもう言葉(法)は通じない」と見切りをつけ、「自律した個人の集合体」として直接的な排除に動き出したとき、ハッキングだけで生き長らえてきたハーンの支配は、その空虚さを露呈して崩壊するでしょう。


とはいえこれは楽観論です。自由主義陣営が弱体化し、権威主義国が覇権を握れば、指導者が歳を取るに従って権力闘争が勃発し、毎回政権のリセットに世界が付き合わされることになってしまいます。



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