4.権威主義とは
1. 権威主義の正体:モンゴル的「氏族・ハーン」OS
かつてのイスラム文明が停滞し、現代のロシアや中国が陥っているのは、文明の基盤が「法や理論」から「軍事的な氏族による支配」へ書き換えられたことに起因します。
論理の放棄: 真理を客観的に探求するのではなく、頂点に立つ「ハーン」の意思や、身内(氏族)の利益がすべてに優先されるシステムです。
リセットの歴史: 権威主義は、前任者の積み上げ(連続性)を否定し、権力の交代ごとにシステムを「リセット」します。これにより、文明的な蓄積(複利効果)が働きません。
2. 「宗教的左翼」との共鳴
皮肉にも、西洋の急進的な左翼思想は、この権威主義(ハーン的支配)と深く共鳴しています。
「幸福は義務です」: 『パラノイア』の世界のように、個人の自由な論理を封じ、「正義」という名の下に感情や行動を強制的にコントロール(ハッキング)しようとします。
認知の劣化: 複雑な現実を「短文・反復・情念」のスローガンに落とし込み、人々の思考を停止させることで、管理しやすい「下層市民」へと作り変えます。
3. 文明の「生命維持装置」への脅威
現代文明は、もはや個人の認知能力を超えた「魔法」の領域(高度な科学・経済網)にあります。
50億人のデッドライン: 現代の理論と物流が支える人類のキャパシティ(80億人)に対し、権威主義的リセット(物流の遮断や技術の否定)が起きれば、人類は、例えば日本国内に限れば江戸時代レベル(3000万人規模)への破壊的な強制リセットを免れません。
管理通貨と欲望: 管理通貨制度は「人々の欲望」をエネルギーに変える高度なOSですが、権威主義(氏族)がこれを私物化しコントロールしようとすれば、欲望の目詰まりが起き、システムは自壊します。
4. 2026年の新秩序:OSの峻別
もはや「全人類が同じ法の下で対話できる」という幻想は終わりました。
ロゴス圏(G7/EUなど): 話し合いと法の統治が成立する、知的OSを共有する世界。
ハーン圏(権威主義): 法ではなく「力(物理的結果)」のみが共通言語となる世界。
アメリカの役割: 迷走期を経て、相手のOSに合わせて「対話」と「力(大統領捕縛などの実力行使)」を使い分ける、冷徹なバイプレーヤーへと回帰しました。
*:共産主義や社会主義は、思想自体は西ヨーロッパで始まったものですが、それが実際に国家として機能した(ように見えた)のは東ヨーロッパ以東でした。これらの国では、チンギス・ハーンによる統治以降、国家運営が彼らの作り出したシステムで長年運営されており、その正当性を装飾するために、ちょうどよい理論であったということです。
左翼の方々が、一見理性的に議論をしていても、何かの拍子に突飛な理論に跳躍するため、理論的な議論ができないのは、これらの国々では、氏族(支配階級)はそもそも法の外にあるわけで、左翼の人たちも自分たちは(一般市民は法の拘束を受けるが)法や理論の拘束を受けない、という意識があるからだと思って見てみると、その発言の趣旨が理解できます。(賛同はできません)
ソ連の崩壊が西側にとって不幸だったのは、彼らにも西側の法の下の平等が通じると勘違いしてしまったことで、そうでないことが近年の事案で明らかになり、世界を再びいくつかのブロックに分けて、その統治のシステムを切り替えようということになったと見ています。
アメリカが湾岸戦争やそれ以降、圧倒的軍事力で戦闘には勝利しても統治を含めた本当の戦争ではパッとしない結果を続けていたのは、これらの地域別の民衆の特性と統治の適性を無視して、西側諸国の基準で国家運営をさせようとしたためです。
トランプはそうした西側の倫理観を捨て、純粋にビジネスという軸で行動し始めたように見えます。これは、中国が発展のために国家の運営基盤は変えずに計画経済を捨てた判断と同じく、論理的には正当ではなくても妥当であると思います。




