2.唯一超大国の迷走
四:自己免疫疾患としての「唯一の超大国」
1990年代以降、アメリカという巨大な生命体は、外敵を失ったことでその余りある防衛エネルギーの矛先を失いました。
日米半導体摩擦という「身内攻撃」: かつて共産主義に対抗するための「極東の防波堤」として育てた日本が、あまりに強大な経済力(半導体シェアなど)を持つに至った時、アメリカの免疫システムはそれを「異物」と誤認しました。冷戦期なら「同盟の強化」と見なされたはずの日本の躍進が、冷戦後には「打倒すべき脅威」へと書き換えられたのです。
知的・倫理的な過敏反応(ポリコレの萌芽): 国内においても、戦うべき巨悪(ソ連)が消えたことで、かつての「自由の闘士」たちは、社会の微細な差異や過去の瑕疵を執拗に叩く「アレルギー反応」にのめり込みました。これが、後に「宗教的左翼」へと進化する、過剰な正義感の暴走です。
五:ガードを解かれた文明の隙間
アメリカが同盟国(日本やEU)を叩き、内向きの正義に没頭している間、世界という名の土壌では、より狡猾な「新しいウイルス」が静かに増殖していました。
超限戦の種まき: 権威主義国家は、アメリカが「自滅的なアレルギー反応」で疲弊しているのを見逃しませんでした。彼らは西洋が自慢する「自由」や「市場」の仕組みを逆手に取り、資本を送り込み、メディアを買い叩き、教育現場に情念の種を蒔きました。
法のハッキング: 「法を信じる者」が「法を利用するだけの者(ハーンの代理人)」を招き入れたことで、文明のOSは内側から書き換えられていきました。




