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短歌「足跡」  作者: 金子よしふみ


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雑詠 その21

新人の「あ、いらっしゃいませ」レジ通る心の中で頑張れと言う


爪を切る数ミリの深さ切ってから後悔するは深爪の肉


かさぶたを引っ掻いては血が溢れ痕にも残る搔かなければ


飛び出して宇宙遊泳するみたい孤独と自由を噛みしめられたら


言い過ぎた後悔ばかり砂を噛む気づいた時にはまた後悔する


いつか見た夢振り返ればこの人生叶えていたかもしれない


宝もの見つけたような動悸する煌めく総菜今日に限って


難解な謎かけみたいな夢を見る夢診断にも載ってないような


テレビには新人アナのぎこちなさフレッシュである我が身顧み


ああ春よ洗濯物がよく乾くそろそろあなた機嫌直して


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