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眼鏡
ストロボをたいたみたいな秋の雲白く光って眼鏡もいらぬ
スマホ見る眼鏡を外しスマホ見る眼鏡があっても見えない君は
伸びをして眼鏡をクイと持ち上げる鼻パッド鳴る雪が降っている
いつの間に眼鏡に汚れついていて拭けばさやかな視界の広がり
眼鏡取り裸眼で見えるぼんやりとそんな世界がさやかに見える
眼鏡取るぼやけた世界眼をつむる開けた視界詩の浮世絵の
鮮明とぼやけの境界彷徨す眼鏡一つで変わる世界
歪む空ピントの合わない今日だけは眼鏡の度か吾の視力か
0.1を切る視力だった昨日まで2.0になる眩しさ余る
目薬を疲れた目に点す時に眼鏡なければ点さなかったかも




