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春と言えど
冴え返り灯油がなくて着ぶくれるあっついお茶をズズと飲みつつ
曇っては春と言えど肌寒くフリースの下ダウンベスト着る
息白く電気毛布から抜けられぬこんな朝にはアラームを無視
コーヒーのマグカップを両手で包んで飲んで吐く息見える
ひんやりと足につける軟膏をこすって少しほんわかとして
スクワットその回数を増やしては股関節からあったかくなる
三月の中旬なのに二月並み戻った気温白いため息
冬コート片づけなくて良かったと颯爽と着て買い物に出る
お湯沸かすガスコンロに手をかざす爪の先からじんじんとして
炊き立てのご飯の湯気も温とめる眼鏡は曇るおかわりの熱
煌々とファンヒーターで照りつける体育座りのこの冴え返りは