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短歌「足跡」  作者: 金子よしふみ


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静か その1

今朝の雨そぼ降るほどの静けさも荒波の音目の届かぬこと


ヒーローのクライマックスその瞬間DVD止まる再開の冷静


目覚ましは雪かき腰が重くなる静かに降った雪の重さよ


外に出て積もった雪の深さ知る時間と雪の静けさを知る


職場には来客もなく静謐は換気扇の音マスクしたまま


雨の午後車が通って静けさに咳を二度して胸がチクリと


自動車の行き来のしない静けさは不気味なほどに口をつぐんで


来客が嘘のような今日静かちょっと早いが一杯飲もうか


寝返りしうつらうつらの目を閉じていきも静まる朝刊の音


秋の雨朝から静か降り続くお掃除シートフロアを泳ぐ


寝違えて首や肩やら動きづら今日は大人しく安静にしよう


雷がおさまり秋の日差しさすその静けさや我が生活にも



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