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夜 その3
寝ぼけては戸の左右がずれている夜中のトイレ無意識のこと
気が付けば今日ももうすぐ夜になるこなしていたのは日々のルーティン
雨音が夜に激しく響いては窓には見えないその水滴を
雪の夜どこかしんみりほのかに照らし出されてそんな視界が
しんしんと雪は降りつつ闇になる冬至の夜は静かなるかな
冬の夜の帰りの道を急いでは粉雪の舞う背を丸くして
冬の雨夜に雷風強く襟を直して首縮こませ
陽が落ちて夜に染まった世界から呼吸しているこの一つの身
いつの間に寝落ちしていた夜のことスリープモードのパソコン閉じる
ワイパーを上げておいたは雪の夜に曇ったままで積もることなし
ふんばった後に聞こえる凪の音夜のトイレの息一つして




