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不至 その2
船酔いのような人生今となり君に出会えて凪を見つめる
船酔いをしてまで船に乗る理由極楽ほどに耐えられるはず
浜なぞる引いては返る波を見る今の濁りは澄む時が来る
歯間には風が通って心地よい歯間ブラシをしないかぎりは
ひび割れてようやくわかる日常の日常らしい非日常
一言で雪と呼んでも粉雪も湿雪もある雪かく重さ
免許証を更新してまた深くため息を吐く写真写りに
ああ秋か汗が出ないと気が付いたゴミステーション行って帰って
バスマット立とうとしたらすっころぶイタタの次は歌のネタ出来た
鏡には生来見て来た顔がある心も映せばいわば醜男
船は行く介護のための帰郷とて流人のごとく果てを見ながら




