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窓外
雪の夜雪は音なく降り続き黒い世界を白く染め行く
春風の穏やかさに憧れる居心地悪いなんてことなし
快晴も春の嵐にビクついてこの身一つの丸まりを知る
春嵐止んで晴天とは言えど戸を鳴らすほど隙間風吹く
春嵐雨の降り方容赦なく窓は見ないよただため息する
冬の日の晴れた窓外見つめたまま鼻をすすってただ静かです
窓外の小春日和の鮮やかさうらやましいな部屋に一人で
冬晴れの窓外の色まぶしくてスキップするほどに飛び出せたなら
冬晴れが嘘に思える夕闇に懐かしそうに窓外を見る
曇り空予報の雨をちらちらと心配しつつ窓外を見る
雪の舞う窓外をじっと眺めては体育座りのかすかな呼吸
春の雨カラスが鳴いて窓外の光まぶしく立つことできれば
雪晴れの窓外見つつ聞こえるは不器用なほどタイヤは進む
隙間風断続的に鳴らす戸の雄叫びに似た窓外を睨む




