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かりそめ その5
寝覚めては隣に残る君の声夢では本当に添い寝をしていて
音でしか言えないんだ胸の内ことばがどこかとげを持つから
色彩が圧倒的な装飾が言語を越えてことばで語る
還元した還元不能なその原子奏でて声が心につながる
花と波君が向こうを向いていてもその調べ詠むこの揺れる胸
枝調べ花は散り散りひるがされその一点の花の輝き
喚起する記憶や声や制度とか洗われても想いのすずろ
さあやるかやんぬるかなと見上げれば小さな光その足で立つ
言葉にしろそれさえあればいいじゃないか調べや色彩そのまさにその
例えればもしもピアノが弾けたならこの声でしかこの歌でしか




