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かりそめ その2
その声で名前を呼ぶな呼ぶのなら想いを殺して距離を保とう
短歌よごめんこれでしかつやけなくて乗っかかってる
君よ笑むああそれだけで生きている余剰の砂がざらついている
夢消えるこの手でつぶせぬおぼろげがあなたの笑みと違わないから
この声はあなたに傷を血を滲ますこの声が届けるためらいもなしに
慌ててそそっかしさを取り繕う君よそれこそ吾を射ているのだ
片想いああやっぱりな偏想いよくも短歌なぞ吐いていられるな
日が沈むもう隠れてよまた昇る君よ素知らぬままで今日も
お守りを握って願うただ一つ怨霊になるなこの片想い
世間虚仮想いも泡よ君がいる唯仏是真斬りに行こうか




