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かりそめ その1
光年のあなたが僕の声を聞くあなたの声が光を越えて
かりそめの言葉でつなぐせめてものあなたの声を手に触れるほど
大吾する仏の道を歩まずともかりそめならば想いをも砂
想いをブロック崩しにしてそれらしい形にえぐって君と今日会う
無臭な場所がそれでもあるのだからせめて声にあなたの声と
春雷とか言って間が持つ間が産まれるブラックホールのないあなたとの
理性が根本を残し鎌刈られ震える心拍君の去る背
魂に突き刺されて空いた傷その傷の熱君のこの時間
厄ならば祓えてしまえるかこの妬みざらりと残る君よ遠去れ
ああ君よ眼鏡を取れよ吾の文字をぼやけて見えぬ見えぬから置け




