268/1196
熱 その6
久々の微熱に横になってみる気を失うように眠りに落ちる
おかずにはおでん熱々登場し秋は深まる腕まくりして
冷え込んだ今朝はなんだかカレーまん噛み進むほど体は熱く
熱々の天ぷらうどん秋の暮れ身にしみるほどほうと息吐く
豆乳のホットココアを静々と喉から胃へとその形の熱
時雨てはお茶の湯気がゆらゆらとちょいと一杯消化器の熱
肌寒い十二月の午後三時コーヒーブレイク熱い吐息
アラームでファンヒーターに給油する強風の熱底冷えの日
一杯のブラックコーヒー熱々と消化器辿るその形あり
お湯の中とろけるような息漏らし体の芯まで熱が浸透
餅を焼く芯が残ってもう少しオーブンは煌々と熱く
寒い夜ワンタンメンに息を吹く具材すべてが熱々なので
お茶を淹れ熱が身体にビックバン北風なんかにきっと負けるまい
情熱は種火のようにまた盛る冷めたお茶を温め直すように
お茶飲んで小水近くとは言えど熱いお茶欲す三月上旬




