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海 その1
稲光轟もなく瞬けば海原越えて君も見上げよ
荒海のような湖見つめる先の雪山は遠い
平泳ぎモササウルスのいた海を眺めてヒトデまたいで帰る
海の中岸に立つ人見えぬ色波なら岸の人をも見る
切り傷に染みる海水かさぶたの剥けては覆い染みなくなる
冬の海その荒波は猛る龍船を遮り送信受信
海がある晴れても凪が白く立ち船は出ないここにいるしかない
台風が来なくても香る海は見ずともあるといざなわれるよう
海見れば銀河系こそ呼びにけれ船なかりせばありもせねらめ
風吹けば湖面が揺れて波になるいつか止む波古代からの海




