2/765
ソイラテは抽象歌その2
一粒の雪は融けていく幾億の雪は野となり山となるかな
冬の日の風呂の吐息は白く消え浮力に沈む苦い思い出
フォーク刺すチーズタルトのかす集め舐めてみたなら小さな幸せ
少しずつジグソーパズルをはめていく絵が組み立てられてピースを外す
日が昇り夜を消しては影作る影を見させて月を見させず
雪の山裸眼で見つめる白や白おぼろげであり明晰であり
一月の晴れ間に歩く空を見ずぽつんと独り息を吐くかな
雪は降り天使がそこに雪は融け天使のいた痕足跡もなく
履いたんだゴムが緩んだ靴下はやっぱり捨てる置いておいても
温めた無調整豆乳の上澄みをかき混ぜてみる温い豆乳