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狂愛
紅いバラそうその色は愛の色この血を吸って開いてくれた
蜂になり恋という名の毒を刺す治療薬など出来なきゃいいのに
離れては息一つさえままならない地にいる魚とまるで同じ
ケプラーとコペルニクスとガリレオの法則が君と僕にも沿う
切手貼るたくさんたくさん切手貼る料金不足で返って来る恋
宅配便宛名は確かに間違いない受取不可は重い想い
捻挫した湿布を貼ってギブスして治るといいな 恋が終わって
龍が酔う酒を嗜み寝つぶれて忘れてしまえ言えない想い
百年の孤独であればなお優しブラックホールの中にいる傷心
刈り果てぬすすきの原は土の下根が広がりぬ別れ半年
指切った消毒液と絆創膏手慣れていても処置できない心
かさぶたを掻いて血も出ず痕になる痕を数えたこれまでの恋
剣を突き切り裂けるのはどうして肉体だけで心はないのか
暴風雨もっと激しく鳴ってくれ心時化れば思い出さない
二日酔いおんなじことを繰り返しまた深酒す恋愛もさ
短歌にして俺の思いは狂愛かそうか狭隘間違っちゃいねえ




