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雑詠その10
小寒の雪は緩んでびしゃびしゃと掻くスコップの重く腰病む
朝起きて脊柱管に釘打たれる寝返り一つもままならずに
一夜明け腰の具合を試すため腿上げ五度してやめることにした
冬の郵便受けに息殺す当選ハガキがあったかいなあ
包丁を手で拭ったら血の海毎月二日は布巾供養日
どうかどうか轢き殺さないでください自動車に吹かれるビニル袋
親に似るとは思えなかった若い日々友人の子の友人に似る
雪しんしんファンヒーター燃える啜る茶吐息漏れるめくるページ
声知らぬ祖母の命日手を合わす読経の後叔母たちのおしゃべり




