14/1190
雑詠その9
雨は降る雪は降る雪積もる雪一言の雪いずれの雪や
アスファルト母なる大地汚すなら見たくもないから大雪になれ
夜白しひび割れそうな静けさと音無しく降る雪の故なり
御宮から見下ろす湾に入るフェリー暴風雪に酔う帰省客
真夜中のトイレに響く波音はテレビで見らむ白波の立つ
雪うさぎ雪だるまやらかまくらや大大雪は災害レベル
目の前の二千万年前の岩二千万年後は見上げるか
日焼けして一週間後に皮剥ける不惑うらやむ十代の肌
死体喰う人は野菜や果物やキノコの死体で生きていく
サンタにも童心にもなる聖夜独身貴族は一人三役




