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明晰
ぼやけてもこれが世界な裸眼だから夜中のトイレ迫真の立体
かすんでは曇った眼鏡のまんまで遠く見るようなそんな期待を
水曜日ちょうど真ん中折り返しやんぬるかなと奮い立たせて
カチャカチャとキーボード打つオノマトペ電子レンジはいまだに「チン」とな
摂氏○度影は○度で車内は○度○度に左右される毎日
朝剃った髭が昼にはチョロチョロと自己主張する白いもの混ぜて
顧みれば天地無用の恋だった逆にしたのは他でもない俺
ブラインドタッチで綴る短歌にはクセ字もなければ下手な声なし
拭っては汚れ落とした眼鏡かけ明るい世界眼に飛んでくる
どうしても気になっちまうかさぶたは血が出てそして痕になる




