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短歌「足跡」  作者: 金子よしふみ


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手や腕や

握っても手からこぼれた粒子たち一陣の風空に舞いあげ


おにぎりはふわっとくるむようにしてギュッとしたなら窮屈になる


腕まくるギンガムチェックのシャツの袖米研ぐときに濡れないように


寝起きにはポッカポッカの体温で腕まくりして顔を洗って


玄関の開錠しようとカマキリが臨戦態勢手を引っ込める


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