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恋 その9
想うてはだからどうしたひねくれて着信がきてひねくれもせず
日は落ちてそぼ降る雨に身は冷えて差し伸べる傘に君は入らず
人の恋抗生物質に耐性があるかのごとくおんなじことばっか
その声はブラックホールそして今フレアになったこのうたになる
何気ない一言ずつが積もって心の形あなたになった
一人寝の床に響くは波の音さらってくれぬか夢もろともに
台風の風の強さも届かぬか一文さえも「送信できません」
地球から空気なくなれ君へ今思い煩う同じ空気を
一人見る宵の明星二人見た光消えてもあの星はある
夏祭り花火見上げたあの夜を一人思うよ秋の夕暮れ




