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雑詠その5
あっ雨と思って掌差し出せば数粒のうちに雪へと変わる
夜待って雨より多い稲光冬到来の天のお知らせ
夜明け前窓越しの道だんまりの未踏の雪が敷き詰められて
一晩で音なく積もる白雪は恥ずかしがり屋の人見知りかな
そうもしもこれから降ると雪告げば戸を開けた時の驚きは無し
身の丈の雪かき分けて命日の墓前で合掌鳥の鳴く声
雨上がり雲一群が退いて夜空を担ぐオリオンの勇姿
秋彼岸入った途端に残暑消えタオルケットに毛布重ねる
秋彼岸月下にチャリをすべらせば半袖の下の鳥肌を擦る
初詣二度目の柏手おみくじの待ち人の欄に君を想い笑む