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この子の七つのお祝いに

とおりゃんせ とおりゃんせ

ここはどこの細道じゃ

天神様の細道じゃ

ちっと通してくだしゃんせ

御用のない者通しゃせぬ

この子の七つのお祝いに

お札を納めに参ります

行きはよいよい 帰りは怖い

怖いながらも

とおりゃんせ とおりゃんせ


玲奈の七歳の誕生日を祝うため、母親は彼女を近くの神社に連れて行った。七五三のお祝いとして、玲奈は新しい着物を着せてもらい、母親と一緒に神社の境内を歩いていた。


神社に着くと、二人は境内を探索し始めた。石段を上ると、古びたお堂の前に一人の謎の女性が立っていた。その女性は、白い着物を着ており、不気味なほど静かな微笑みを浮かべていた。


「こんにちは、玲奈ちゃん。」女性は玲奈の名前を知っているようだった。


「どうしてこの子の名前を知ってるの?」母親は不思議に思いながらも女性に近づいた。


「私は、この神社の守り神だからね。今日は特別な日だから、玲奈ちゃんにお祝いをあげようと思って。」女性は柔らかい声で話した。


「お祝い?」母親は興味津々に聞き返した。


「そう。七歳のお祝いは特別なの。だからこれをあげるわ。」女性は玲奈にメモ用紙を手渡した。


母親はその紙を受け取り、中を覗き込んだ。しかし、メモにはよくわからないことが書かれている。


「どういうこと?」母親は困惑した。


「七歳のお祝いをするときはね、特別な儀式をする必要があるの。無事に帰ってこれるようにって意味も込めてね。一緒に来て。」母親は頷くと、女性は母親を神社の奥深くへと連れて行った。


数時間後、母親は女性がくれたメモを片手に家路に着いた。家に帰った後も母親はメモの中身を確認したがさっぱり何を書いてあるのかわからない。

母親は玲奈を寝かしつけ、しばらく今日の出来事を反芻した後、眠りについた。


翌朝、玲奈の様子がおかしかった。

何度呼びかけても返事がない。

朝ごはんも食べようとしない。

瞬きすらしない。

まるで魂を抜き取られた人形のようだ。


「どうして…そんな…玲奈を返して…」


母親は咽び泣きながらも玲奈を抱き抱えた。人の子とは思えないほど軽い。母親は昨日の紙を見つけくしゃくしゃに丸めて投げ捨てた。


「玲奈…」


母親にとってあのメモに書かれた内容はよくわからないものだろう。


しかし実際のメモには丁寧な字ではっきりとこう書かれていたのである。


「その子はただのお人形よ」

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