いつか雨
お盆が台風に吹かれ、
仕事には行かなかった。
特に支障はなくて、
夕方まで横たわった。
ニュースが流れていた。
がっかりとうんざり。
多くの旅行者たちが
重たい運を背負っていた。
雨は思いもよらない。
降って欲しい田畑には
少しも降らないで、
誰かの頭にだけ降り続く。
いつか自分の頭にも
落ちてくるだろう雨。
いつか自分の命にも
落ちて来そうな雷様。
マウイの山火事を見て、
台風の後の畑に行った。
耕して豆を撒いて、
肥えた土を作ってきた。
師匠のお爺さんは
ずっと現れなかった。
暑すぎて畑は危ない。
そりゃ、現れないさ。
雨は遠くへ逃げた。
降って欲しいと願うのに、
少しも降らないで、
どこかの崖っぶちへ逃げた。
いつか自分の体ごと
押し流すだろう雨。
いつか自分の暮らしなど
跡形も残さぬ水神様。
自然の大切さを歌い、
人間の愚かさを綴り、
この声で、この文字で、
何ができたのだろう。
百日紅の木の上で、
つくつく法師が鳴いた。
そうか、八月も終わりか。
そうか、季節は巡るのか。
雨は戻りそうにない。
降って欲しいと願うなら
少しは感謝して、
巡る季節を讃えよう。
いつか自分は消えてゆく。
雨に流れ土に戻れるなら、
いつか自分の粒子が、
優しい雨になるかしら。