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コスパ最高

作者: ヨシフ

由美。由美子って名前が良かったと思ったのは15の時だった。英語の授業で教科書にMy name is yumiKo.と出てきた一文に唐突に由美では何かが足りないと感じたからだ。由美➕x=、代入するのは何か。何でも良いようで、何でも良くない。恵、絵、枝、得、英、会、etc.とりとめなく考え、マラソンの授業で校庭を走る

生徒を眺める内に次第にどうでも良くなってしまい、子になった。由美子、由美子でいい。いや、由美子がいいとなった。親のネーミングセンスの無さを恨む内に気付くと学生時代は終わり、短大を卒業して勤めた、金融機関は肌が合わず一年で退社し、由美は現在派遣の事務員をやっている。来日も来日も給与計算の数字を眺め、時間が来ると仕事から上がり、派遣は良いよね、定時で帰れてと小さく嫌味を言われる日々に慣れ、笑顔でお疲れ様です。と言うのがルーティンになっていた。昼はオリジンで買う弁当ですませ、夜は必ず一杯引っかけてから帰るのもルーティンだ。トリキ、目利き、串カツ田中、和民、笑笑、時にファミレスの飲み放題。高校生の時、体調不良で眠れない夜に親が保存していた、ウィスキーを飲んでから酒を覚え、短大時代のコンパで体目当てですり寄ってきた不細工な男と飲み比べして相手を酔い潰して自分がかなり酒に強い体質だと気付くことができた。それ以来、他人と無理して飲まなくても良いと思い現在に至る。今日もトリキでハイボール、緑茶、ジャスミン、コーラ割と11杯も飲んで、四畳半1DKのアパートに帰ってもストロング缶を空けて寝てしまう。夢の中で

そんなに飲み過ぎるなよと嗜めてくれる男が出てくるが必ず顔は記憶にない。もう、人との触れあいや仕事などどうでも良く、いかに気持ちよく酔えるかが大事だった。そんな由美の自慢は二日酔いで仕事に穴をあけたことがないことだ。今日もどこかで手酌酒。

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