4ヶ月目 コンクール編
「こんにちは。サマコンも無事に終わり、いよいよコンクールが近づいてきました。」
と、部長が言った。そうだった。サマコンが終わったあともまだまだ本番は続くんだった…。
「来週がコンクールにむけたホール練習です。そして再来週がコンクール本番になります。」
と、皐月先輩がサラッと言った。2週間でしあげる必要があるのか~。辛いな~。
「なので、夏休み入ったら部活三昧になります。課題は計画的にやってください。」
『はいっ!』
こうして、コンクール前の追い込みが始まった。
こういうものは始まってしまったら過ぎるのはあっと言う間で、夏休みに入った。
今日は自主練の日だった。
久しぶりに1人でチューバを吹く。明後日がコンクールだから調節メインで吹きたい。
そして私は、丁寧に息を吸った。
チューニング、ロングトーン、半音階、スケール、 タンギング、リップスラー。
これは、中学時代に教えてもらったこと。
音形練習、曲練習、フィンガリング。
こっちは高校で学んだこと。
初心者からはじめたチューバもこの4ヶ月弱でだいぶ上手くなった。その成果を明後日、出し切るんだ。
「よし。 これで本番前最後の合奏を終わる。 明日のために早く片付けて、帰れよ。」
「クールダウンも忘れずにやってください。」
顧問と部長が言った。今日も調節がメインだった。
「それでは、お疲れさまでした。」
『お疲れさまでした。』
私も明日に向けて早く帰ろう。
「さぁ、今日はコンクールだ。 まずは積み込みだー!」
『はいっ!』
「積み込みが終わった人から電車で移動してください。」
『はいっ!』
会場入りし、チューニング。
「よく音が出ている。大丈夫。落ち着いていこう。」
みんなのチューニングを耳を澄まして聴いていた顧問が言った。いつもより優しい声色だった。
舞台袖では、今回も菜々先輩のダンスが披露され、緊張感が霧散していく。
前の学校の自由曲がもうすぐ終わる。
出番はすぐそこ。
はぁ………、すぅ…。
よし、行こう。
舞台に光が煌めく。
こっからは私達の12分だ。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
この作品はここで完結とさせていただきます。
実は、この作品の主人公は中学時代には別の楽器をやっていたという設定でした。
そして、この作品は私が初めて書いたものなので内容、文章ともに拙いものだったと思います。
それでも読んでくださった皆様には、最大級の感謝を送ります。