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愉快痛快Bassパート!!  作者: 雨黄金
2/8

1ヶ月目

はぁ………、すぅ…。

よし、行こう。

 



 ここ梅山高校は、一学年6クラスのそこそこ大きい高校だ。

 そして、ここの吹奏楽部もそこそこ大所帯である。

 そんな、吹奏楽部に入部した一人の生徒の話である。




「じゃあ、まず、パート発表します。」 



 ―数分後―



「配属されたパートで自己紹介を行ってください。終わったら、各パートごとで解散してください。お疲れさまでしたー」


「バスパート、移動するよ~。」

『ハァーイ』

 

 ―移動後―


「じゃあ、2年生からやって行きましょう。

 パートリーダー、バスクラリネット担当の原田律です。好きな食べ物は…梅干しです。」

「はぁいっ、バリトンサックスをやってる酒井菜々です。副

部長もやってます。」

「えっと、チューバの堀江皐月です。菜々と一緒で副部長もやっています。」

「ちなみに未来っていうコントラバスの人がいるんだけど、

連絡が付かなくって…。今、LINE電話かけているところ。」

 と言って、原田先輩がトーク画面を見せてくれた。      

 ん?なんか、緑の電話マークが大量にあるぞ?

「先輩、何回ぐらいかけました?」

「うーんとねぇ、30くらい?あぁ!ストーカー行為みたい になってる!!!気持ち悪がられちゃいますね。どうしよう」

「まぁ、後輩のぉ大事なぁパート発表の日に連絡つかない 未来のほうが悪いよねぇ。」

 おぉう。菜々先輩、辛辣ぅ。 

「…じゃあ、一年生たちに自己紹介をやってもらおっか。」

 と言う皐月先輩の声で、話題が自己紹介に戻ってきた。

「えーと…。1-Bの鈴木零です。好きなことは、因数分解の

問題を解くことです。よろしくおねがいします。」

 なかなか個性的な自己紹介を行ったのは、同じクラスの鈴木君だ。クラスでの自己紹介もそうだったが、ここでも癖の強さは変わらない。

「1-Dの、榊原百です。よろしくおねがいします。」

 と、大人しそうな百ちゃんが言う。鈴木君の後では、さぞ、やりにくかっただろうに…。緊張で顔がこわばっちゃっている。

 さぁ、私の番だ。

「1-Bの神谷秋音です。よろしくおねがいします。」

 よし!我ながら、無難にできたのではないか。

 とにかく、今日は、バスパートはだいぶ個性的な面子が揃っていることがわかった。


 ―次の日―


「本っ当ーに、申し訳御座いませんでした!!!!」

 と、勢い良く謝るは、昨日連絡がつかなかった中澤未来先輩だ。LINEグループでも謝っていたが、ここでも謝っている。あまり謝られ過ぎても…

「合奏、始めるぞー。」

 ナイス、顧問!

 顧問の先生がやってきた。

「あぁ、楽器も決まったことだし、1年生も合奏、参加してね。まぁ、できる人だけでいいけど。」

 ん?先生、なんていった?

「秋音ちゃん、運指覚えてる?…覚えてる!じゃあ、合奏参

加してね!」

 ん?皐月先輩、何にをおっしゃる?私、初心者ぞ?

 別の楽器やってたけど…

「…わかりました。」

 まぁ、実践練習ができるのは、いいことだよね。

 …だよね?

 こうして、私の吹奏楽生活が始まった。




「ッッッっ疲れた~!!!!!!!」

 合奏に参加し始めて数日、ここのところいつもヘトヘトだ。でも、合奏で曲を吹きながらの練習はとても楽しい。

 ただ、基礎テクニック練習、音取り、音域トレーニングetc…をやりながらは…。でも、夏のコンクールには出たいし…。

 パンッ!

 「もう少しやってくかぁ。」

 頬を叩き気合いを入れた。

 私は、かなりの負けず嫌いなので追い詰められた時ほど頑張れるのだ。

 それに、もう少しで始めての中間考査だから部活ができなくなる。その間の分も練習したかったのだ。

 ピコン!

 ん?あっ!

 母さんからのLINEだった。

『いつ、帰って来るの?ごはんできるよ。』

 あぁ〜。時間切れだ。今日は、もう帰らなくては…。

 渋々片付けをし、音楽室のみんなに挨拶した。

「お疲れさまでしたー!」



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