魔法について
投稿したと思ってたらできてなくて、危うく一日一回投稿が途絶えるとこだった……
夜、風呂から出た俺は自室のベッドに座っていた。
ベッドに座って……莉々愛が来るのを待っていた。
「……………」
なんなんだろうな?この時間。
何故かいけない事をしている感じがするのはなんでだ?
「落ち着け落ち着け落ち着け……こんなの先月もやったじゃないか…」
なのに今はすっげぇ緊張する…。
昼間の事のせいか?ドキドキが今までとは尋常じゃねぇ。
「ふぅ〜〜〜〜〜……」
大きく息を吐く。
「ふぅ〜♪」
と、同時に耳元に息を吹きかけられた。
「———ひぃぁっ!?」
な、何事!?何!?急に!?
慌てて横を見る……までもなく、当然、そこには莉々愛がいた。
俺がドキドキし過ぎて周りが見えてなかったからではなく、今まで感じなかった気配や香り、見えなかった姿が急に真横から現れた。
まるで、魔法を使ったかのように…。
「———って莉々愛!魔法は無闇に使うなって言ってるだろ!?」
「やだ……何今の声超可愛い……。胸がきゅんきゅんする……!!」
「聞けよ!!」
「あんな可愛い声聞き逃すわけないでしょ!?もう絶対に忘れられない!!」
「そっちじゃねぇよ!?そっちは早く忘れて!!」
莉々愛め……俺に認識阻害の魔法を使いやがったな…!
心臓に悪いからその魔法は使うなって言ってるのに…!……変な事言ってなくて良かったぁ…!!
『魔法』……それは超常現象。人間には扱えない奇跡の力。
魔族である莉々愛だから使える力。
しかし魔法といえど何でも出来るわけではない。
例えば手から火を出すといった、無から有を作る事はできない。
莉々愛が使える……というか使う魔法は主に2つ。
1つは自分自身を変える魔法。
学校に行く時に眼を真紅の色から碧眼へと変えたり、角や尻尾を消したりしてる『変幻』の魔法が主な例だ。
そして2つ目は他者を操作する魔法。
それが俺に使った『認識阻害』の魔法だ。
角や尻尾であれば魔法で隠す事ができる。(父さん曰く人間と共存する為の進化らしい)
しかし、姿全部を消す事はできない。
魔法は便利であっても万能ではなく、無から有を作れないように、有から無にする事もできないのだ。
だから自分の姿を他者に見せないのではなく、他者が自分の姿を見れないようにした。
その結果がこの魔法だ。
しかし何度も言うように魔法は便利であっても万能ではない。
自分ではない他者の認識を阻害する……意識を操作するなどいくら魔族でも出来ない—————はずだった。
しかし、魔族の中でも一部の種族がある行動をし続けると他者を操作できる事が判明。
その種族の例が淫魔であり、夢魔であり………吸血鬼だ。
その吸血鬼がする『ある行動』とは、その名の通り『吸血』。
俺はこれから………莉々愛に吸血される。
「ったく……急に何するんだお前は…!」
「いや〜、びっくりしてドキドキした方が血流良くなって吸血しやすいかなーって思って」
「そんな気遣いは無用だ!!」
「あ、やっぱりお兄ちゃんもじっくりゆっくりねっとり濃厚に時間をかけて吸血される方が好きなんだ〜♪」
「違うからな!?………ん?」
お兄ちゃん『も』って言わなかったか?今。
それってつまり……。
「……とにかく、もう夜深いんだからやる事やってとっとと寝るぞ」
「……まさかお兄ちゃんの方から同衾のお誘いがくるとはさすがに思ってませんでひた」
「違うから!?」
誤解だから赤くなるな!照れるな!敬語になるな!そして噛むな!
というかどうしてあの会話で俺が同衾誘ってると思ったんだよ!!
ダメだこの義妹……早くなんとかしないと…。
……本当に、早くなんとかしないとな。俺の気がおかしくなる前に。
無から有は出せなくても、某黒い包帯さんみたいに体温を極端に高くしたり低くしたりしてみたら炎とか氷とかギリ生み出せれるんじゃね?って書いた後で思った