莉々愛
濃厚接触者になりかけました
シャーーー………
浴室内にシャワーの音が響く。
シャーーー………
私は今、シャワーを浴びていた。
シャーーー……………キュ…
シャワーを止める。
……またいつもの倍くらい身体を洗うのに時間がかかってしまった。
髪が腰まである私はただでさえシャワーに時間がかかるのに、その倍……水道代が高くなってお父さんには申し訳なく思う。
でも仕方がないの。だって今日は……今夜は月に1度のあの日。
身体を清めておくに越した事はないもの。
「……………」
ダメ、また心臓がバクバクしてきた。
あの行為は別にいやらしい事じゃないのに。
「……はふぅ………」
湯船に浸かって心を落ち着かせる。
お風呂はやっぱり良いよねぇ……。唯一胸が重力から解放される瞬間だし……肩が楽……。
………胸……か…。
私の最大の武器であり肩こりの元凶……。
この武器を今夜お兄ちゃんに押し付けたら……どうなるんだろ…?
「………はっ!?……う〜〜〜ぁ〜〜〜!!」
あ〜〜もうっ!またドキドキしてきた…!!
何考えてんのよ私は……!!
あの行為をし始めたのは確か私が小学生になったばかりの頃……。
あれからだいたい月に1回、それを毎年繰り返して今まで、ちょうど先月の今日まで。もう数え切れない程してきた。
してきた……のに!まだ慣れない!緊張する!!
というか大人になるにつれて緊張してきてる……!!
「……余計な事するのはやめよ…。もしお兄ちゃんに引かれたら……嫌われたら嫌だし」
お兄ちゃんに嫌われるのは嫌だ。嫌われるのだけは絶対に耐えられない。
孤児の時間が長かったからこそ、私は家族が一番大事だと思ってる。
だから家族に嫌われるのは絶っっ対にやだ。
もし私の変な行動でお兄ちゃんに嫌われるぐらいなら……何もしない方がマシだ。
私はお兄ちゃんと仲のいい兄妹の関係でいたい。
この関係でいい。
でも……この関係がいいとは言えない。
大好きな兄に甘えられる。今はまだこの関係でいい。
でも私はこの関係で満足とは……とても言えない。
私はワガママで欲張りなんだ。今まだ我慢するけど………いつかは。
その時は覚悟してね♪お兄ちゃん♡
実際に髪が腰まで伸びている女子は今まで1人しか見たことない