月に一度のあの日
少々誤解を招くタイトルになっちまいました
「あっははー♪勝った勝ったー☆」
「……ぐっ…!」
数時間後の夕食時、莉々愛はいつにも増して上機嫌だった。
理由は単純。
俺がゲームで莉々愛に完敗したからだ。
昼の事で俺が考え事してたから———というわけではなく……
「いや負けても仕方ないだろ!?だって本当に舐めてくるやつがあるか!?」
「ここにいるぞー!」
「うっさいわ!!」
俺が勝ちそうになると莉々愛に舐められた。物理的に。首元を。
そんな状態でまともな操作が出来るわけもなく……必然的にボッロボロに負けた。
「あんな事されて平然とゲーム出来るわけないだろ!!」
「ならお兄ちゃんも舐めればよかったのに。結構気持ち好いんだよ?」
「そんな恥ずかしい事できるかぁ!!」
「………なにをやってたんだお前達は……」
父さんにツッコまれる。
なにって……健全に兄妹仲良くゲームしてただけですが?
「仲良き事は美しき哉……とはいえさすがにこれは……いやでも他の野郎に莉々愛を任せるぐらいなら……そもそも莉々愛の秘密を知られるわけにはいかないからこのままの方が……」
「お父さん、何か言った?」
「あぁいやなんでもない。それより颯月、莉々愛、今日はあの日だったよな?……もうシたのか?」
「ごふっ…!?」
「うわぁ!?」
危ない……味噌汁吹き出しかけた……。驚かせてごめん、莉々愛…。
「ちょっ、父さん!いきなり何言い出すのさ!!」
「え?あっ、すまん…。会話的にもうしたのかと……」
「会話的にってなに!?俺達そんな話は———」
……………。
「あれ!?してた!?」
「今更か……」
確かに事情知らずに話だけ聞いてればなんかいかがわしい感じになってる!
父さんの冷静なツッコミが恥ずかしい…!
っていうか別にいかがわしくないし!あの行為は健全だし!!
……それにしても、今日はあの日だったのか。
1ヶ月に一度行われるあの行為をする日……。
普段なら絶対に忘れないはずなのに父さんに言われるまで忘れてたなんて……やっぱり昼間の事で少しショックを受けてたのかな。
「なんだまだだったのか……。………それじゃ父さん、今日は早めに風呂入って寝るから後はごゆっくり」
「その謎の気遣いやめてくれる?」
気遣いで逆に気不味くなってんだけど。俺今莉々愛の顔見れないよ?どんな顔してればいいの?
………チラッ。
「「……っ!?」」
驚いた声は2人分。もちろん俺と莉々愛だ。
そりゃ驚くよ……顔が見れなくて視線逸らしてた俺と違って莉々愛は俺の顔をガン見してたんだから。
しかもその顔は妙に赤くなってて瞳は潤んでいて……なんか……やけに艶やかというか色っぽくて……。
「……………」
「……………」
き、気不味い……!!
いつもの元気な莉々愛はどうしたんだよ…!そんな顔すんの……反則……!!
「……そういえば父さん明日早朝に仕事あったわやっぱ今すぐ風呂入って寝るわご馳走さま!!」
「待って!?そんな早口で逃げないで!?」
「うるせぇ!父さんは馬に蹴られて死にたくはねぇんだよ!!」
そういって晩飯を早急に食べ終えてリビングから逃げる父さん。
「……………」
リビングには無言の莉々愛。
テレビのバラエティ番組から流れる笑い声がなんか虚しかった。
「……………」
「……………」
「………ゲームする?」
「……………うん」
今度はちゃんと勝った。兄ナメんな。
なんだかんだで初投稿から1週間経ちました
これからもよろしくお願いします!




