表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/19

義兄妹の関係

中学の時の後輩に義妹がいる奴いたけどアイツ元気かなぁ……


俺と莉々愛はカップルに見えてるらしい。


俺は数多くの男子(+一部の女子と教師(!?))に妬まれているらしい。




「「ただいまー」」




まぁそんな真実を知っても俺の行動は結局今までとなんら変わらないんですけどね。


いつも通り一緒に下校し、2人仲良く家に帰ってきた。


今までのルーティーンをそんな簡単に変更できないし、それに何より帰る家が一緒でお互い部活をやっていない、つまり帰る時間帯も一緒なのだからムリに別々に帰る理由がない。


そもそも莉々愛の方から一緒に登下校してくれって頼んできたしな。



………と、昨日までの俺なら考えただろう。


だが……



『それに兄妹って言ったって血の繋がりの無い義兄妹だろ?颯月は無意識にそういう関係を望んでいたんじゃないのか?』



この言葉が俺の胸に残っている。突き刺さり、小さな(トゲ)となっている。


俺が莉々愛とそういう関係になる事を望んでいる?


俺が莉々愛を……妹を、異性として見ている?


確かに俺は莉々愛が大事だ、大切だ。母さんがいない俺にとって、妹は家族としてとても大切にしている。溺愛していると言っても過言ではない。


だから側に居たいと思った。


それに莉々愛はいくら人間社会に溶け込んでいるいっても、吸血鬼としての特性はある。


莉々愛が吸血鬼だと……魔族だと他人に知られると色々な意味で終わるので、もし何かあってもフォロー出来るように近くで見守りたいと思った。


この気持ちに偽りはない。


偽りはないが……他の感情がなかったとは……言い切れない。


確かに最初は莉々愛からお願いしてきた。


だが、俺はそれを利用していただけなんじゃないか?


莉々愛のお願いだから仕方なくやっているという免罪符で自分を騙してたんじゃないのか?



「今日のおやつ何かな〜、プリンだといいな〜♪」



隣で莉々愛が無邪気に笑う。


……そうだ。そうだった。この話は俺だけの話じゃない。莉々愛も大きく関係している。


俺と莉々愛がカップルだと勘違いされてるという噂。


こういった恋愛系の噂が大好きな女子が『学園の天使』の恋の噂を知らないはずがない。


だから莉々愛の耳にもこの噂が入っているに違いない。


なのに……何故莉々愛は何も言ってこない?


この噂によって俺はいつ刺されてもおかしくないぐらい男子達(と一部の女子と教師(笑))に妬まれるという被害を(こうむ)った。


だが莉々愛は俺の何倍もの被害を被っているはずだ。


だって好きでもない人と勝手に恋人認定されてるなんて最悪だろ?


莉々愛は人気者で発言権がデカイんだから一言「兄妹です」と言えばこの変な噂はすぐに収束する……と思う。誰かが悪意をもってこの噂を流してない限りは。


なら何故?何故莉々愛はみんなに真実を言わない?


もしかして莉々愛は俺と噂になるのを嫌がってないんじゃ—————




「あ、お兄ちゃん。今日もあのゲームしよ?今日こそは絶対に負けないんだから!」




………これ以上はやめておこう。これ以上はただの願望だ。ただの……妄想だ。


こんな馬鹿げた妄想で兄妹の関係にヒビか入ったら困る。



「いや、今日も俺が勝つさ。兄ナメんな」


「余裕ぶってるのも今のうちだからね!妹ナメんな!……でもお兄ちゃんなら舐めてもいーよ?」


「アホな事言うな」


「……本気なのに〜…」



これでいい。


これがいい。


大切な(家族)に慕われる。これ以上何を求めるっていうんだ。


俺はこの関係で……満足だ。


颯月は莉々愛と噂になる事を嫌がってない時点でお察しですよね

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ