捜索
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七香ちゃんの話はこうだった。
『授業中、運動場の方から破裂音が聞こえると莉々愛が急に体調不良を訴えて教室を出て行った』
……ということらしい。
心配になった七香ちゃんは莉々愛の後を追おうとしたが見失い、そこで俺に会ったとのこと。
「そうか…。破裂音がする前の莉々愛に何か不審な点とかなかった?」
「授業中だったのでそこまでちゃんと見てないですけど……ずっと運動場の方をみてましたね。莉々愛ちゃんの席、窓際なので」
運動場の方を見てた……俺を見てた…?
「あの!それと……一瞬だったので見間違いかもしれないですけど、莉々愛ちゃん泣いてたかもしれません」
「なんだって!?」
「は、はい…。目が赤く充血していたので……」
「———ッ!?」
これは……想像以上にマズイ!
莉々愛の眼が赤くなっていた。それは吸血鬼としての力が暴走してる証拠だ!
莉々愛は外出するときは人間らしく見えるように魔法で紅眼を碧眼に変えている。
つまりこの『変幻』は莉々愛が一番多く使う魔法だ。その魔法の制御すらできてないのはかなりマズイ!
もしこのまま制御が効かなくなって尻尾や翼、角が生えてきたら……取り返しのつかない事になる。
目撃者を———『処分』しないといけなくなる。
くそッ!本当に莉々愛に何が起きたんだ!後もう少しで莉々愛の親友が組織に処分されるとこだった!
「ありがとう七香ちゃん!莉々愛は俺が探してくる!」
「えっ、あっ、はい!莉々愛ちゃんを……お願いします!!」
頭を下げる七香ちゃんを背に走り出す。
目撃者が出る前になんとか莉々愛を見つけ出さないと!
携帯電話がないのがここまで不便だとはな……。
でもまぁ、魔法が暴走してるってことは……半眷属である俺なら莉々愛の場所を魔力で探せられる!
静かな場所に行き、一息つく。
そして意識を集中させる…!!
俺流魔法、『魔力探知』!
……………
………
…
—————ッ!!見つけたッ!!
大凡の場所しかわからんが……たぶん4階の視聴覚室か?
まぁだいたいの場所さえわかればそれでいい!
それにこっちが魔力で居場所を探知した事を莉々愛も感じ取れたはずだ。これ以上場所を移動することはないだろう。
階段を使う暇も惜しい、周りに人がいない事を確認して……一気に2階の渡り廊下へとジャンプ!!気分は某最凶死刑囚だ!
そして視聴覚室を一気に目指す!
階段は駆け上がるのではなく一息に跳び、廊下は背を低くして極力音を立てずに走る!
人の身で吸血鬼の力を使ってるんだ。これ程無茶をして明日以降、酷い全身筋肉痛になるだろうが———そんなの関係ねぇ!
そして———!
「———莉々愛!!」
視聴覚室の扉を開ける!
『!?お兄ちゃんっ!』
と、同時に飛び込んでくる莉々愛の姿!
………は、なかった。
「………は?」
そこには人の気配も、もちろん吸血鬼の気配もなかった。
まさにもぬけの殻。
「り……莉々愛ー?……莉々愛ー!?」
……………。
呼べど待てども返事なし。
「………冗談だろ?間違えた?」
もう一度魔力を頼りに莉々愛を探す。
しかし、今度はいくら集中しても莉々愛の居場所はおろか、魔力すら探知することができなかった。
魔力探知にするか魔力探査にするかで超迷いました




