告白場面
途中で第三者視点入りまーす
「莉々愛……何処にいるんだ…?」
前略、俺の妹ストーキング生活は始まらなかった。
学年が違うといっても同じ校舎だし金髪で目立つしすぐ会えるかなーって思ってたけど全然違った。
休み時間のたびに探してみたけどマジで会えない。たぶんこれ魔法使ってんなってぐらい。
……本当に魔法使ってそうなのが怖いところ。
莉々愛、何故。まさか俺はそこまで……。
「———っと、ネガティヴになるな俺。それを知る為に探してんだろうが」
危ない危ない、落ち着け俺。落ち着いて考えろ。
落ち着いて考えて———
「………ここ、何処だ。」
ヤバイな……考え事しながら歩いてたせいで訳の分からん場所来てる。
たぶん体育館の裏らへんか。滅多に来た事ないし来る必要もない場所だが……なんとも人気の無い場所だな—————って!
「(莉々愛!?)」
声が出そうになるのを必死に抑える。
角を曲がろうとしたらその先に一瞬莉々愛の姿が見えた。
一瞬だったけど確実にわかる。あの長い金髪と人間離れした神々しいオーラ(※個人の感想です)は間違いなく莉々愛だった。思わず咄嗟に身を隠してしまったぜ。
それともう1人なんか居たな。あれは誰だ?
こんな人気の無い場所に莉々愛を連れ出して……もしイジメだったらぶち殺すぞ。
……よし!ちょっと様子を見てみるか。
物陰に隠れて覗き見する姿はどう見てもストーカーです。本当にありがとうございました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ドッドッドッドッドッ………。
心臓の音がうるさい。
部活の大会よりも緊張してるや。
「すぅぅぅ………ふぅぅぅぅぅ………」
深呼吸するけど全然落ち着けない。
それもそうか。だって今日は僕———浜崎太一にとってこの世で一番大事な日なんだから。
大事な日になる。大事な日にする。その為に僕は吾妻さんをここに呼び出した。
する事はもちろん———告白。
僕は今日、吾妻さんに告白する!
「それで……こんな場所に呼び出してどうしたの?」
吾妻さんが僕を見てる。
あぁ……やっぱり可愛いなぁ…。
僕が最初に吾妻さんを知ったのは中学一年生の時。
たまたまクラスが一緒だったんだ。
『吾妻莉々愛です!よろしくお願いします!』
一目惚れだった。
アニメや漫画でしか見たことない金髪碧眼の美少女がこの世に居る……それだけでなく、吾妻さんはその華奢な体でありながら運動神経も抜群だった。
正直、男の僕なんかよりもずっと体力テストの記録は良かったらしい。
『え〜、そんな事ないよ〜』
そんな天に愛されたような美貌と身体能力を持ちながらも、吾妻さんは天狗になる事なく、謙虚で誰にでも優しかった。
見た目だけじゃなく性格も完璧……。
吾妻さんを知れば知るにつれ、僕はさらに好きになっていった。
吾妻さんと付き合いたい。だけど僕なんかじゃ付き合えるはずがない…。
噂として聞こえてくるのは誰々が吾妻さんに告白し、振られたという話だけ。
他クラスのイケメンも、上学年のインテリ先輩も、サッカー部やバスケ部のスポーツマンも、全員見事に玉砕したという。
吾妻さんには既に恋人がいるという噂も流れたが、それはどうやら吾妻さんのお兄さんだったらしい。前世でどんな徳を積めば吾妻さんの兄になれるんだろうか、羨ましい。
そんなわけで、僕なんかじゃ吾妻さんと付き合えるわけがない。
……でも、この気持ちは抑えられない。
だからせめて告白を、例え迷惑であろうともこの気持ちを伝えるだけでも…!
でもただ玉砕するだけなら意味がない。やっぱり少しでも可能性は欲しい。ほんの少しぐらい夢を見たい。
そうだな……せめて吾妻さんに一つでも吊り合える物が出来たら……例えば部活の大会で好成績を残せたら告白しよう、そうしよう。
そして僕は部活に打ち込み———月日は流れ—————
———今日に至る。
「すぅぅぅぅ………ふぅぅぅぅぅぅ………」
もう一度大きく深呼吸。
やることはやった。あとは……気持ちだけ!
「吾妻さん!」
「はい」
「ぼ、ぼぼ、僕と———付き合ってくださいッ!!」
……………。
1秒。
2秒。
3秒。
「———ごめんなさい」
「ッ…!?そ、そう……ですか……」
………そうか。
……………そうかぁ。
…………………やっぱり、ダメだったよ……。
「ちなみに……その……理由、とかは?他に好きな人がいるから、とか……」
「好きな人だなんてそんな……!そんな……違うんです。これはそんなんじゃないんです。ただ、私は浜崎君を好きになれない。それだけなんです」
どういう意味だろう?
でも……まぁ……いいか…。
僕は、ダメだった。
こうして……僕は振られ、吾妻さんの連続振り記録はまた更新された。
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「(告白だったァーーー!?)」
草葉の陰、もとい大木の影から覗き見していた俺は、1人の男……いや、漢の告白の一部始終を見てしまった。
莉々愛からすればただの迷惑だったろうが……告白がどれだけ勇気の要る事なのか、それを思えば勘弁してあげてほしい。
よく頑張ったな……名前も知らぬ後輩…。お前の無謀な挑戦を俺は評価するぞ…!
「……さて、そろそろ帰るか。じゃないとストーカーに間違われ—————」
「———どこへ行こうというのかね、このストーカー現行犯」
「るぅぅぉぉおおお———ッッ!?」
「騒ぐな」
背後に誰か居た!?それと同時に口を手で塞がれる。
ちょっ、待っ、鼻!鼻まで塞がってる!息が!!
「ちょっとこっちに来てもらおうか」
「んーーーッ!!?」
そして俺は連れ去られた。
告白シーンに遭遇した事はないけどキスシーンに遭遇した事あります
あれめっちゃ気不味いからな




