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新たな領地と錬金術師④

構成上ちょっと短め

「色々あったが、皇都にそろそろ向かおう」

「ええ、そうしましょうか」


 アンデッドの無限沸きが突然止まり、駆逐してからお替りが来なくなったので騎士団がある程度身動きが取れるようになっていた。

 眷属の人たち頑張ったんだろうなぁ。まあ自業自得か。


「しかし、アンデッドは本当に収まったのか?」

「はい、恐らく向こう側で、スポーンマザーが、倒されたんだと、思います」


 以前詳しく説明をしたのがエイミーだった為、アンデッド関連の質問がエイミーに飛ぶようになっていた。


「ふむ、聖女エイミー様がおっしゃるのであれば間違いないか」

「ええ」

「せ、聖女じゃないですから!」

「安心されよ、我々しか聞いておりませんから」

「そうじゃ、ないですから……」


 エイミーの聖女伝説が騎士を中心に広まっております。

 まあ殿下が戒口令をしいてくれたからこれ以上広がらないと思っていますけど。

 ……ごめん、広がると思ってます。


「しかしお爺様、一緒に来ていただいて良いのですか?」

「構わないぞい。もう一人の孫も見てみたいからの」

「それでしたら、エッセーナの姉にもあって頂きたいですな。兄上の娘は二人おりますので」

「なんと! ますます楽しみだの」


 こちらとしてもイドが抜けたので、えるふぱわーが使えて丁度いい。

 道中で魔物を見つけて駆け出して、そのまま迷子になられるのだけは注意しないとだけど。


「ここからであれば約2週間、まあ騎士団を引き連れてなので20日は見ないといけませんが」

「……急に面倒になったんだの」

「あれでしたら一度里に戻りますか? 向こうに着いたらまたお呼びしますから」


 うむ。面倒を見ないで済むから楽でいい。


「ふうむ、そうするかの。色々と戦い方の模索もしたいしの」


 剣、正式に取られました。

 今後のエルフと王族の関係のゴタゴタを全部引き受けてもらう報酬に。


「武器の一つでここまで変わるとは思わなかったの。魔力の通りがいいから今までとは違う属性の乗せ方や、魔法の選択。それと剣と魔法を併用した戦い方も色々と考え直さなければならないからの」

「向こうで自慢しないで下さいね。エルフ全員の武器を作るとかオレやらないですからね」

「残念だの。だがイドリアルの婿殿をこれ以上拘束するのは忍びないからの。これは適当な迷宮で拾ったという事にしておくの」

「是非そうしてください」


 イドにも口止めをしておかなければならない! もう遅いかもしれないけど。


「アンデッドに汚染された大地の監視に10名程残します。活動中アンデッドがまだいるかもしれませんので、念のため聖女の奇跡の中での待機とさせます」

「うむ、残る者には後程褒美を取らせよう」

「彼らも励みになるでしょう」

「アンデッドの亡骸はどうするのだ?」

「奴隷兵を呼びましょう。それと近隣の村の若者も投入しないと間に合いませんな。太陽神教にも使者を送らねばなりません。先に使いを走らせます」


 ああ、そうよね。まだまだ大量に死体残っているもんね、頑張って。

 ウッドゴーレムはアンデッドみたいな相手だと成長が遅いから成長促進剤とか使わないといけない。うん、勿体ないから出さないよ!


 そうこうしていると、こちらに向かう馬に乗った人影が見えて来る。

 駐屯地の騎士の面々がそちらを警戒しつつも、話を聞きにいき、頷くと馬から降ろされてこちらに誘導される。


「待たせたな」

「やあハイン」

「お疲れ様です、ハインリッヒさん」

「しかし、供もつけずとは……」

「オレはただのハインリッヒだ。貴族でもないし、職もない人間に供なんぞいらないよ。荷物は彼から便利な物を預かったからね」

「魔法の袋か。良い物を持ってるんだな」


 一度ヘイルダムに戻ったハインリッヒさんは、引継ぎを早急に終わらせてこちらに合流する事になった。

 ここから一度皇都に行き、シルドニアの現皇王から爵位と役職を与えられる手はずになっている。

 これはオレがあらかじめ渡しておいた『遠目の水晶球』を使い、シルドニアの国王へ既にアラドバル殿下とエッセーナ殿下から連絡がいっている。

 皇王はハインリッヒさんが過去に自分の家族をも裏切り、出奔した過去を覚えておいでだった為、話はすんなりとついたそうだ。

 まあ裏で色々あったと思うけど。


「とは言っても、こちらの準備がまだなんだ。ハイン、しばらく休憩していてくれ」

「了解だ。ただ私は騎士団の人間でもないからな。ライトロード殿、話していた通り、しばらく行動を共にしていいか?」

「ああ、メシもいらんって言ったのはこっちだからな。皇都に着くまでは世話するよ」

「助かるよ」


 まあ最低限の物はハインさんも用意しているだろう。

 彼の腰に括り付けてあるのは魔法の袋だし。

 自作だが常識の範囲に収まるタイプの魔法の袋である。

 ハインリッヒさんも含めた、アラドバル殿下率いる第一騎士団はそのまま片づけを最低限のレベルで行い、翌朝には移動を開始し始める。

 そうだよね。軍の移動だもんね。戻る号令掛けたら、動き出すのは次の日だよね。

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こんな作品を書いてます。買ってね~
おいてけぼりの錬金術師 表紙 強制的にスローライフ1巻表紙
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