表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/88

season2 プロローグ

新シーズン開幕です。

良く知らない人はseason1に目を通してからにするといいよ!

season1で出た人物の一部は登場時に容姿描写等を割愛している人もいるのでご容赦を。


season1の時に誤字脱字バンバン貰いました! すいませんっ!

season2でもバンバンでると思うんで、バンバン誤字報告おねしゃす!

『おお、見えて来たぞ。あそこがそうだ』


 巨大と称するにも馬鹿らしい程の大きさを持つ白い竜、ハクオウの先導の下。オーガの島から出発して約3日間の空の旅。

 オレ達が乗る【ロードボート】から見る地平線の先に、大陸の影が飛び込んできた。


「本当に着くものなんだね」


 目を丸くするのは、このロードボートを守る為に幻術を発動しているオレのクラスメート。

 幻術師の相良エイミーだ。

 蘇生してから早1年、体も成長して前以上に女性らしい体の特徴を見せびらかすワガママボディの持ち主だ。

 風になびくブラウンのウェーブかかった髪を手で押さえ、ブルーの瞳でオレと同じ先に視線を向けている。


「すっごいね! この船もすごいけど!」

「まあ船っていうか海空艇だけどね」


 ロードボートの名付け親。エイミーと同じくオレのクラスメートである大盗賊の川北栞。

 彼女は並んで飛ぶハクオウの頭から空中を蹴ってこちらに着地してきた。


 元々黒髪の彼女はオレと同様に髪の色を染めている、驚きの薄いピンクである。本人曰く『ヒロインといえばっ』の色らしい。知らんがな。

 可哀想な事に成長していないその姿で元気に動き回っている。

 たまに成長しないのはオレの蘇生薬のせいだとか言われるが冤罪だ。

 エイミーはこんなにもばいんばいんになったんだから。


 ロードボートはオレの作った魔道具だ。

 冥界に存在する空飛ぶガーゴイルの体と魔鋼鉄とミスリルとか浮遊石とか色々なファンタジー素材を存分に溶かし合わせた特殊合金でボディを作り、セーナのフルアーマー状態に使用するエーテルボトルを更に大型にし、燃料にして稼働する空飛ぶ船だ。

 以前作った小型の船舶を空を飛べるように改造、というかほぼ作り直した船である。


「帆が無いのが気に入らないけどね!」


 無い胸を張りながらも、新しい土地に目を輝かせる栞。


「別に自然風で走る訳じゃないから邪魔なだけだろ」


 飛行も操舵もすべて魔力で行うのだ。エンジン部分に燃料代わりの魔力さえ通過させれば動くのだ。帆など飾り以外の何物でもない、むしろバランスを崩す要因になる。


「ライトの作った物の中でこれ以上に驚いたものはない。まさか空を飛べる日がくるとは」

「理論は前からあったんだけど、空は危険だったからなぁ」


 見た目の変わらないチーム、イドリアルが呟くのも分かる。

 彼女は世界樹の守護者と称されるエルフの一族。オレの旅の同行者だ。

 短く整えられた金髪をなびかせ、まるで精巧に作られた人形の様な整った顔立ちの綺麗な女性。

 こちらの世界で知り合ったイドだが、2人と同じくらい大事な女性だ。


 イドに言った通り、この世界の海と空は未知の領域だ。

 海中には陸上では考えられない程の巨大な魔物がうようよと泳ぎ、常に危険が付きまとう。

 魔物を避ける魔道具もあるが、強い個体には通じないので確実性が不足している。

 ダランベール王国でも、戦船として建造されたのはたったの3つしかない。


 空も同様に危険地帯だ。

 なんと言ってもこの世界、ファンタジー世界のド定番、空中を漂う島が存在するのである。

 そしてそこには空中での生存に特化した魔物が住んでいる。

 陸上と違い食べ物が限られた世界らしく、空中の魔物は常に飢えているので、動くものには見境なく襲い掛かる傾向があるらしい。

 勿論全種類がそういう訳じゃないが。

 今回は大空の覇者であるハクオウを護衛にし、エイミーの幻術で船を隠せる事で安全な空の旅となったのだ。

 それでもハクオウに襲い掛かる恐れ知らずも多少はいる。


『さて、我はここまでだ。この先は別の王竜の空域でな、挨拶をしてもいいが手土産もなくては攻撃されかねん』

「ああ、そうなのか? なんか手土産出すか?」


 魔法の手提げの中や工房には色々と不良在庫が残っている。


『いや、気難しい奴だからな。ミチナガ、もし会うようであれば気を付けよ』

「怖い事言わないでくれ」


 王竜で気難しいとか扱いに困るじゃないか。ぶっちゃけ天災だ。


『十分に注意せよ』

「わかった。道案内ありがとう」

『お前の役に立てたのであれば、存外の喜びだ。ヒロミの友だからな』

「今は、オレとお前もダチだろ?」

『ふ、ふはははは! それもそうだな。我が友ミチナガ』


 王竜であるハクオウは目を細めると、その場で滞空姿勢に入り一声吼えた。


『また島に来ると良い』

「ああ、またな」

「はくはく! ありがとー!」

「ハクオウさん、感謝します」


 オレ達が手を振ると、その巨体を翻して颯爽と飛び去っていった。

 目に見える範囲で、飛行タイプの魔物もいないしハクオウ抜きでもとりあえず問題ないだろう。


 新大陸を目指して、セーナがロードボートを走り進めていった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
こんな作品を書いてます。買ってね~
おいてけぼりの錬金術師 表紙 強制的にスローライフ1巻表紙
― 新着の感想 ―
[一言] 祝再開。 なお当方season1の内容を忘れていたので、再読したため少し遅れての新season読み始めとなった模様。
[良い点] 待ってました! [一言] 内容忘れたからseason1を読み直してくる!!
[一言] 待ってた
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ