6話 当日
よく寝れたし、自分が魔王になって活躍している夢を見たし幸先がいいな〜! ハハハ!
「殿下! おはようございます!」
「おっおう!?」
なんだ? この禍々しいオーラは? いつものプリケンじゃない?
「殿下。朝の風呂はどうしますかな?」
朝風呂やってる暇は無いな。大会の朝は早い。
「今日は忙しくなるからいいよ」
「いいと思います」
「それじゃ、早めの朝食をいただくよ!」
「かしこまりました」
あれ? 最近は暴れ気味だったプリケンがいつも通りに戻ってる......? まあプリケンが放つ禍々しいオーラを除けば......
[数分後]
「美味しかったぞ! やっぱりプリケンの料理は美味いな〜! ハッハッハ!」
「いえいえ」
「さてと、なあプリケン」
「どうしました?」
「なんで目の前の壁が無くなってるの?」
爆発が起きない限り絶対に壊れない壁が無くなってるのだが? 外の景色が見える......
「知りません」
「ああ......そうか」
あれ......? 昨日まで確かにあった気がするのだが......いいや、考えるのをやめよう。なんかつっこんだら負けな気がするし......
「それじゃ! 行くか!」
「いいと思います」
「魔界統一トーナメント!」
「なりません!」
あれれ......? なんか物凄くヤバげな既視感が......。うわぁ、このままじゃ、また変なのに巻き込まれてしまう気がする。こんな時にはやる事は一つ!
「なりません! なりません! 絶対なりません! そういえば忘れてました。そのトーナメントやらに行きたいなら......プおぉぉぉ! 闇の力で超強化された...あれ? 殿下?」
[魔界統一トーナメント会場]
トーナメント会場に到着したぞ! プリケンの妄言に付き合ってたまるか!
「ここがトーナメント会場かな? 受付さん」
「はい」
「私も参加するよ。魔王になりたいからね」
「参加番号1460です。御武運を祈っております」
えらい数が参加するんですね。皆頂点を目指してるんだなぁ。
「ありがとう」
「受付終了まで後1分でーす!」
ええっ!? 危なかった......あと1分だったのか......プリケンのせいで魔界統一トーナメントに出場できないところだった......
「今回はハーピーのラフィーナさんが実況するのか......」
「おお......ふつくしいしかわいい。いいね! 最高だね」
「おい、ガヤB。邪魔になってるよ。あっ、すみませんね。うちの友人が」
「いや、邪魔になってないよ。こちらこそすみません」
確かにかわいい......。けど羽が生えているのが気になるな......
「受付終了でーす! 1800人が参加しました! この中から偉大なる魔王様が誕生します!」
「おーい、ウルズよ。久しぶりだな」
「あ! ミチル兄さん!」
「元気にしてたか?」
◇◇◇◇◇
ミチルは(前魔王)から生まれた1000番目の子
◇◇◇◇◇
「ミチル兄さんも参加するの?」
「いや、俺は気ままに生きたいから......」
「兄さんらしいね。気ままに生きたいとか......」
いや魔族の殆どは『気ままに生きたい』とか、『家の中で十分でござる』とかだわ。そう考えると魔界の民度低いな。悲しくなってくる。
「参加者が多いので予選をしまーす!」
「始まるぞ! 早く行ってこい!」
「分かった! 魔王になって帰ってくる!」
「おう! 頑張れ!」
[予選会場]
「狭いなぁ......暑苦しいぞ」
なんで一つの会場に1800人集めるかな......? いくらなんでもおかしいでしょ......
[ガヤガヤ ガヤガヤ]
「予選の内容は! デデン! バトルロイヤルです! まず、A B C D に参加者が振り分けられます。その中で一番強い人。例えば、Aブロックの中で最後までフィールドに立っていた人がトーナメントに出場できる! 単純でしょ!」
[おおー!]
つまり、1番強いやつが魔王になることが出来る。魔王になるための試練だと思って頑張ろう!
「振り分けは既に決まっているので、出場者は指定されたブロックまで移動してくださーい!」
あっ! 頭の上から紙が降ってきた。
「どれどれ......Dブロックか!」
さあ! 最後まで残った者が唯一の勝者である大会が始まるぞ!
「フッ......」
「でそ!」
「俺は魔王になる!」
「.....」
◇◇◇◇◇
次回に続く
ルール説明(補足)
予選•本戦でも客が入る。
各ブロック450人に分けられる。
各ブロックで勝ち残った2名が本戦出場者として出場できる。
武器はいい。魔法もいい。何使ってもいい。
殺したらダメ。
本戦•予選での負け判定
•場外 例 身体の一部 (足など)が場外に落ちた。
•気絶
•降参
•戦闘不能なほどの重傷を負う