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34話 厨二野郎グラム

 この上から聞こえる声、厨二語録が濃縮されている呪文、この近くに厨二野郎の城がある。まさか......


 いやいや、この廃城が厨二野郎のだとしたらなんでこんな廃墟になっているんだ? それにさっきから上の階から聞こえるこの呪文は何!? ルチアのこれまでや、目の前にいるエルフよりもそっちの方が気になるわ!


 とりあえずガヤAとプリケンにルチアやエルフを任せて、自分はこの城の上に行こう。プリケンはまたグズグス言ってるが華麗に聞き流すとして。




「今日もやるか......」


 厨二野郎を見つけたのはいいんだけど、なんだこのそんなにヤバくは無さそうだけどヤバげな状況は? 極大な魔法陣が床にびっしりと描かれていて、その中央に猫のぬいぐるみが置かれている......? 一体こいつは何をやらかすつもりなんだ!?


「邪神様の依代を設置して準備万端だ。そして、世界よ滅びろーー。邪神様の手で新たな世界をーー」


 は? 邪神? お前はいったい何言っているんだ!? なんか厨二野郎が変な儀式をやっている......?


 ていうか魔法陣の中央に置いてある猫のぬいぐるみかわいいな! これを厨二野郎は依代にするって言ってたよね? どうなってんだよ!


「今宵の夜邪神様の依代を捧げる。全ての魂よ、暗黒星雲邪神様に集え! (いにしえ)たる暗黒祈祷よ! 召喚に成功の暁にはこの世界を捧げます」


 ちょっと何言ってるかわからない。ここまで来ると一種の病気だな。いやちょっと待て、なんか厨二野郎の身体が赤く光ってるし、猫のぬいぐるみからヤバげなオーラが......あれ? ヤバくねこの状況。


[トントン]


 なんだよ誰だ? 今状況がやばすぎて最悪世界が終わりかねないんだけど? てっ、エルフ!? いきなりどうしてここに......


「ウオォォォォ! 復活をウオォォォ......! ふう......ダメだった。精一杯祈ったのに何も起こらなかった。クソッ! 何故! この世に神などいない......そんなことは分かっている。だから邪神に祈ったのに!」


「祈るな!」




[数分後]


「結局いったいなんだったのよ。城もこんなに荒廃してるしさ、そもそも邪神とかいないから」


「それでも! それでも俺はすがるしかなかったんだ......! 聞くも涙語るも涙......それは統治を始めて半月が過ぎた頃......」


 何も聞いてないのに勝手に話し始めたぞ。いつにも増して情緒不安定だな。ほら、隣にいるエルフも怖がってるから程々にな? ダメだ、全く聞く耳持たない。仕方ないから一応話を聞こう。


 厨二野郎の話を聞いてみると、いろいろ苦悩があったんだなと共感しながら思った。下手したら自分よりも苦労してたんじゃないか?


 まず、なんかドワーフ王国から使者が来たらしい。ドワーフ王国というのは魔界と人間界の境界線にある王国だ。ドワーフ王国は基本的に魔族、人類関係なく受け入れてくれる凄い国。そんなのがなんでここに?


 厨二野郎によると、どうやらドワーフ王国は魔界と友好関係を結びたかったらしいね。なんでこんな終わりかけた魔界と? 厨二野郎もよく分かってないらしい。


 これは序の口、厨二野郎によるとまだまだあると言う。次は例によってあの勇者が厨二野郎の城に現れたらしいね。


 この勇者といえば、とある金絡みの件でエルフの森に行った際、取引先の勇者が厨二野郎の精神を可哀想になるぐらいにボコボコに叩きのめしたのが記憶に新しい。いや、あれは厨二野郎が自滅しただけか。あのときの厨二野郎はなんか頼りなかったなぁ。自分が初めて会った時感じた、魔界の英雄の面影が今では全く無くなっているのがなんかね。


 厨二野郎によると勇者は魔王の居場所を聞いただけで、特に何もしなかったようだ。厨二野郎は勇者の目的が全くもって分からないようだが、自分にはある程度思い当たる節がある。なんかあいつは......考えたくないなんかやだ! 何か進展があるまで忘れよう。


 そんな厨二野郎だが、意外に民衆に受けいられている様だった。例の如くプリケン隠密部隊が探ってくれて知ったわけだけど、一応こんなんでも魔界の英雄だからかな?


「これで俺の愚痴は終わりだ。邪神様にすがりたくなるだろう? なあ!」


「ウーーン。厨二野郎がブレてないことだけが分かった気がする」


「そんでなんだが、お前さんはなんでここにいるんだ? 普通魔王城の座椅子でどっしり構えているだろ? それに後ろに見かけねぇ顔がいるらしいが」


 ああ? 確か自分って、プリケンに魔王城に来てほしいと伝言を伝えるように頼んだよね? あのプリケンはいったい何処に消えたんだろう?


◇◇◇◇◇◇◇

次回に続く

10日で1話更新で勘弁して。執筆する時間が全然取れないんだ。

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