32話 再会(後編)
またスランプに陥ってしまったよ。どうしましょ。
「待て。ちょっと静かに。あそこに誰かいる」
モブAの言うとうり、確かに何かの気配がある。はあ......今度こそ追っ手がきたか。これは強硬突破しか道が無くなったか......
ガヤAのこれまでの経緯は後で聞くとして、今はやるべきことがある。そう、自分はまだ死ぬわけにはいかない。まだ何もしていないのにこんな所でくたばってたまるか! ん? そういえばさっきから、この妖精みたいな生物がルチアの隣に居るな。今まで気がつかなかった。後で聞いてみよう。
プリケン......強硬突破するタイミングを測ってくれ。プリケンがアイコンタクトに応じた。どうやら通じたようだ。誰が潜んでいるのか分からんが、北の領土に向かう為に邪魔はさせないよ!
ルチア......分かってるな? なんか怪訝な表情をしている。もしかしてこの作戦知ってないな? いや、仕方ないか......この作戦、即興で考えたから話していない。そもそもこれって作戦と言えるのかな?
プリケンからアイコンタクトのお返しが......よし、分かってない奴は手を引いて強制的に連れて行けばいい。エルフは......自分が担いでいこう。ゴリ押し作戦開始!
まず、プリケンが『プリケサンダー!』を放つ。これは別に当たらなくていい。これはいわゆる陽動ってやつ。本命はこっちだ! 反乱軍があたふたしている間に強硬突破するだけよ。突撃!
「げっ!? 見失ってしまった! キーー! 本命はそっちだったのか!」
「ヤバイでっせ兄貴。このままじゃダンテ様に殺される。俺たちの命がない」
「ダニィ!? 野郎ども、今すぐアイツらを見つけ出せ! 落武者狩りの血筋が途絶えてもいいのか!」
[数分後]
なんとかなったな。うまく決まりすぎて逆に怖い。まさかプリケンと連携プレイをする事になるなんて夢にも思わなかったぞ。なんやかんや北の領土周辺まで来れたし、多分だけど追っ手もここまで来てない。
思えば、もっと自分がしっかりしていればこんな事にはなってないんだよなぁ。魔族達に信頼されるような魔王になるしかない。とりあえず少し休もう。
◇◇◇◇◇◇◇
次回に続く
期末が終わったら更新を再開するから! 頼む! それまで待ってくれぇぇぇ!(一週間程度 7/14ぐらい?)




