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3話 魔界の現状

魔界マジ終わってて草

「それは......」


「アギャーアアア」


「峰打ちだ」


 よし! 終わり! このプリケンにはそんなに手こずらなかった。このプリケン、白目を剥いてぶっ倒れてやがる。強く叩きすぎたかな?


「で?」


「ハハハハ! 我同胞を痛めつけてる間にプリロボの修理が終わったでそ! 覚悟するでそーー!」


 なんだよ。まだ歯向かうの? ていうか修理完了するの早すぎだろ。そもそも、このポンコツプリロボ修理してたのか......


「ええい! この際、命狙ってもいいから事情を話せ!」


「分かりましたでそ!」


 話してくれるのか。


「まずこちら側の事情として食料問題があります。魔界は土地がマジ終わってて作物とかが育ちません」


 そういえば魔界の土地、赤茶けた乾いた土地だわ。基本的に草木が生えないヤバイ土地。


「食料足りないくせにバカどもがポンポン子供作るので、さらに食料が足りません。だから人間の肉とか、人間界の動物の肉とかが必要です」


 だから魔物の一部は人間界にフラフラ進行してたのか......


「土地が貧しい以上、やれる事は限られてきます。よそから奪うか滅ぶか、でそ」


[バシューン]


 あぶな!? いきなりプリロボが光線放ってきた!? クソ! このプリロボってやつ、なかなか厄介だ! 


「いやでも時間をかけて荒地を開墾......」


「魔族はそういう地味な作業が嫌いでそ」


 うおおおおーー! くそがぁああああ!


「アギャーーアアア!?」[チュドーーン!]




[数分後]


「はあ...... ていうかなんでお前らそんな歯向かうの?」


「殿下が魔王目指すとか言い出すからですぞ」


 なんでそんな理由で歯向かう。別に私が魔王になってもいいでしょ。私が魔界を変える!


「いいですか、これは殿下のために言ってるのですぞ」


「嘘だ、お前ら一族は全員自己利益のためにしか動かない。私が魔王になったら都合の悪いことでもあるんだろう」


「なんという仰っしゃりよう! 見損ないましたぞ! クリス殿下!」


 どの口が言うんだ? 私もプリケンを見損なってるよ。プリケンのこと、ただのイエスマンだと思ってたのに......


「実際問題、魔王になると言って簡単になれるものではありません。先ほど申し上げたように魔王はストレス職ですが、表面上派手で好き放題出来そうなので、ライバルが多いでそ」


「兄弟と戦う覚悟は出来ているよ」


「ご兄弟様だけでは済みません」


 ん?


「そもそも魔界は(力こそパワー! 力こそ全て!)な風潮がありますので、血縁とか関係なく強いやつは機会があれば魔王になろうと反逆してきます」


「なにそれ? 魔界マジヤベーじゃん」


「そもそも、フランケンやらオークやら、どいつもこいつも(パワー至上主義)が多いのに...一応、国っぽい体制を維持しているのは一つの奇跡みたいなものでそ」


 一つの奇跡ねぇ......


「そもそも魔王を目指すと言っても......魔王様はまだ健在ですぞ」


 あっ! パパ魔王......


「そういえばそうだったわ......全然会ってなかったから忘れてた......でも、そろそろヨボヨボじゃない?」


「いいえ。全く。我々魔族は大体長命ですから。老衰による退位を待つのでしたら、少なくとも100年ぐらいかかるでそ」


「はあ!?」


 そっそんな馬鹿な!? 100年......


「そのためほとんどの魔王様は、暗殺やら謎の突然死によって代替わりされています」


「ほんと......どうしようもねえな......魔界」


「お分かりですか? 魔界はすでに詰んでいるのでそ」


「いずれ自滅するか人類に滅ぼされるしかありません。そんなところの王になっても、ろくなことありませんぞ」


「だからよぉ。側近プリケン」


......あれ?


「お前は側近プリケンでいいんだよね? 側近プリケンの爺ちゃんとかだっけ?」


「本物のプリケンです」


「殿下! 言い忘れていましたが我ら一族は個体ごとの自我を持ちながらも意識を共有しているので...」


「私も側近プリケンで構いませんぞ」


「やっぱなんかキモい一族だな!」


 一族何体いるの? 見える範囲だけで20体は居るんだけど! 単純に気持ち悪い。こいつらの生態はマジでどうなってるんだろうか?


「まあ......話を戻すけど、私はそんな魔界の現状を変えたいのよ」


「変えなくていいでそ」


「変えたいっつってんの! お前が言う通りこのままじゃダメだ。人類に滅ぼされる前に運命を変えないと」


「クリス殿下......そのようなお考えだったのですな」


「分かってくれた?」


「よく分かりました。ですが、人間どもの文明レベルでは魔界への大規模侵攻はまだまだ出来なさそうなので、我らの世代の間は多分、大丈夫でそ」


「子孫の代はどうするのよ?」


「知るかボケェーですぞ!」


 どっどうした!?


「知らねぇぇんだよ! 死んだ後の事はぁぁぁぁ! 自分がハッピーならそれで良いだろうがぁぁぁぁ!」


 また豹変しやがった......この部下怖いよぉ〜


「こうなったら......最終手段でそ! 先生! 頼みましたでそ!」


「やっと出番か......」


 ◇◇◇◇◇


 次回に続く

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