幕間(2) ハッピーセット
注意書き ルチア視点! 女性の視点なんて全くもってわからないのです!
[西の領土]
愛しのマイホームに帰りたい。魔王城に帰りたい。ヌクヌクのベットにすがりつきたい。もう働きたくない。
「あれからずっとこの調子ですよ。俺はもうウンザリなんだがな! ラフィーナさんよ! いい加減あいつをなんとかしろ!」
「はあ......使い魔。一回落ち着いて、深呼吸、深呼吸」
「.......スウ.......はぁ〜」
お母さん、私もうダメかもしれません。軽く統治できると思ってたらこれ。魔界は終わってました。もうここから動きたくありません。もうじき私は天国に旅立ちます。
「おいおい! なんかこいつの頭から輪っかが出てきたんだけど!? なんだ!? くたばる直前か?」
「うわぁ......ルチア様が黄金に輝いていって、宙に浮かび上がっていく......これは不味いんですよ。さあ、ルチア様はどこまで飛んでいくんでしょうか!?」
「こんな時に実況者魂を見せるな!」
アハハハハ.......何故か身体が軽いや......このまま何処までも飛んでいける気がする......さようなら現世、皆さん来世で会いましょう......
「マジでやばくない!? こいつが亡くなったら......俺が主権を取れるじゃん!? 早く、くたばっちまえ!」
アレレ......何かが見える......え!?
[ストン]
「あっ! なんか落ちてきた」
「チッ! 無駄に期待させやがって......」
何故か部下達はいい顔をしていないけど、そんなことは些細な事! 今一瞬だけ見えた本当の天使......いたわ!
「ああっと! ルチア様、いきなり落ちてきたと思ったら、小さなエルフに抱きついたではありませんか......エルフ!?」
「ノリツッコミと実況お疲れ様です。ラフィーナさん」
あれ? 私は今まで何を......は!? なんでエルフを抱いているの!? 私は!? この小さなエルフが泣きそうな顔をしているんですけど!? どういう状況なの!?
「ルチア殿! 殿下からの手紙でそ! さあ、手紙を渡したので、ここに来るまでの金を要求するでそ! さあさあ!」
「なんや、このハッピーセットは......(絶望)」
[数分後]
私はこの数日間狂っていたようだ。あの期間の記憶がない。あの時改革に失敗して、この城に帰ってきたのは覚えている。そこから......私は。
「ぐへへ......この金で今日はパーティですぞ! ヒャッヒー!」
「なんだったんだ? このスライムは......」
「使い魔。あんな無限に増えるスライムのことを考えるくらいなら、もっと有意義に時間を過ごした方がいいと自分は思うな。それより、このエルフは何処から現れたんですか!?」
確かに......ここからエルフの森は正反対の方向のはず......。どうしてここに? あっ! また泣かないで、さっきのは謝るから!?
なんでこんな所に君が居るんだろう。迷った? 迷ってもこんな辺境に来れるとは思えない。よし、困ったら魔王城ね! びっくりスライムからのもあるしちょうどよかった。
「てなわけで魔王城に行くよーー! みんな、後に続け!」
「俺もついて行かなきゃいけないの?」
「即決、即断、即断念! 流石です! ルチア様! 一生ついていきます! 使い魔はこのエルフの護衛をしてください!」
「ラフィーナはこの城に残ってて! いくよ、使い魔!」
「俺に発言権ないの? もうやだこいつら」
◇◇◇◇◇◇◇
次回に続く
難しかった。幕間の話なのに苦労した。




