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28話 金銀財宝

プリケン達が旅立って一ヶ月後のお話

 一ヶ月の時を得て、プリケン達が帰ってきた。金銀財宝を引っ提げて......金銀財宝!? 500万以上......まあ......大体予想してたけどこんなにむしり取る必要なかったでしょ。


「思ったより金を抱えて魔界に入ってくる人々がいなかったので、近くにあった城を襲撃したら財宝があったわけでそ」


「ん? 襲撃? 話が違うだろ。侵略者からむしり取るんじゃなかったのか?」


「我々は財宝を半分くらい金庫に納めておきますので:.....この話はこの辺で......」


 すっとぼけて逃げやがった......てか、半分!? まさかその半分って全部プリケン一族が使うんじゃないだろうな? はあ......この一族......悪い意味で裏表無いな。そろそろ本格的に粛清してやろうか?




 まあいいか。この金で魔界はどうにでもなりそう。あとは厨二野郎の件だ。この一ヶ月で忘れかけてはいたが、あの子供勇者に500万を届けなきゃいけない。てか、そもそも厨二野郎が変な喧嘩吹っかけなければ略奪とかする必要なかったんじゃ......いや、もう終わった事だ。もう考えたくない。


 今考えてみると、結局私が魔王になっても魔界は変わらず三昧の状態。この魔界の現状じゃあ私1人の力では無力だった事が分かった。でも四天王達が地方で権力を持ったら変わるのだろうか?


 あっ。そういえば四天王の居住地どうしよう。色んな事がありすぎて完全に後回しにしていた。とりあえず倉庫にあった魔界の地図を見てみるか。ふむふむ......


 魔界の中心に魔王城がある。確か魔王城から見て北は人間界、西と南はどうやら荒野が続いていて、その先に広大な海があるらしい。気になった所は東にある森。


 この地図によるとエルフが住む森らしいが......なんで魔界で森が形成されているんだ? 魔界の土は植物が根を張るのを拒否するぐらい酷いのに......


 エルフには何か特別な力があるのかもしれない。今まで棚上げしていた魔界の食料問題も解決してくれないかなぁ......自分は農業系は得意じゃないんだよ。自分ではどうすればいいか分からない。


 でも、自分にはエルフについての人脈が無い。パパの代はあったんだろうか? 人脈が無いからエルフに頼みようが無い。四天王の誰か、そういった人脈を持ってるのかな? 後で聞いてみよう。


「おい、こき使い魔王。話がある」


 お! ちょうどいい時に天使が現れた。あとこき使い魔王は間違って無いな。自覚はある。


「珍しいね。私が呼ぶ前に現れるなんて......」


「僕は魔王。もとい貴様に反抗する!」


 ......は?


「どうした? プリケンの真似事か?」


「しらばっくれるな! なんでいつのまにかこの天使様が四天王になっているんだ!」


 ああ......天使には四天王の事話してなかったわ。この天使はあれ以外でも......この魔王城の修復をやってくれたり、魔王城の金庫を整理してくれたりといろいろやってくれてるから、四天王にしていいかなぁ......と。プリケンと同じくらい助かってるもん。なんなら魔王城に置いておきたいくらい。誰だって四天王にしたいでしょ。


「僕は責任も忙しくもない本当のニートとして生きていたいんだ! なのに......貴様はこの一ヶ月ボロ雑巾のように使いやがって! そのあとになんだ!? 四天王? ふざけやがって!」


 優秀の他にも理由があって......思ったより四天王候補が集まらないんだよね。称号を探すのを2日間くらい寝ないで頑張ったのに......


「四天王になったら、お前の統治次第ではニートになれるかもよ? 偉くなれば働かなくて済む。この世の摂理だ。それでも天使は四天王になるのを拒むのかな?」


「は?」


「殿下。グラム殿が悪魔の所に向かい始めました」


 早くない!? 厨二野郎は休むことを知らないの? ていうか、プリケン......いつのまに......


 やっぱりなんか心配だから厨二野郎についていこうか。また騒動起こされたらたまったもんじゃないから。保健者と言うわけだ。


「んじゃ! 行ってくる!」


「え? どこに向かわれるんですか!?」


「おい。まだ天使様の話は終わってないよ! ちょっと待って......僕の話を聞けーー!」


 まだ厨二野郎が近くにいた。私が見届け人になってやる。

 次は少し更新が遅くなる。アイディアは練っているけど学校の課題やらで忙しすぎる。これまで投稿した所も改訂する。

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