2話 プリケン一族襲来!
前回のあらすじ
プリケンが秘密兵器を出してきたぞ!
[機械音]
「な、なんじゃあこいつは!?」
なんか......スライムみたいに不安定な形の機械が出てきた!? なんだこれ?
「ふはははは! こんなこともあろうかとプリケン家の総力を結集して作った起動兵器!」
え? こんな事のために作ってたの? 数日前から夜中にコソコソとなにかしているのは知ってはいたが......
「やりなさい! プリロボ! 殿下をコテンパンにするのです!」
◇◇◇◇◇
フリロボが襲ってきた!
◇◇◇◇◇
「ええい! なんだ? このポンコツ!」
硬った! こんなスライムみたいな見た目なのに......どこからそんな硬さが......? まるで鉄板を殴っているみたいだ。
「無駄ですぞ! 姿勢制御は完璧ですぞ!」
「じゃあ! 純粋に壊れろや!」
なら、渾身のパンチをプリロボに当てたがどうなる! ぶっ壊れろーー!
[ドーーン!!]
よし! 爆発が起き跡形もなくぶっ壊れた! 雰囲気の割にあっけなく終わったな。
「ああああああ!? プリロボがぁ......」
「とにかく言う事聞いてもらうぞ!」
「ぬうううう......こうなったら......みなさーーん! 頼みましたぞーー!」
みなさん?
「なんだなんだ?」
「プリケンちゃんをいじめる奴は許さないよ」
プリケンと瓜二つの生物がいっぱい出てきた!? なんなんだこの怪奇現象は!?
「ここからはプリケン一族総出で止めさせていただきます!」
「まずはこの私が相手でそ!」
「こんなキモい一族だったのか......」
全員顔が同じとか......マジで頭がおかしい一族すぎるでしょ。
「殿下ああぁ! 魔王になるくらいならここでくたばれーーでそーー!」
「おっ恐ろしい殺気だ......あのイエスマンプリケンがどうしてここまで......」
あれ? 今相手にしてるのって、あのプリケンだっけ。あの自分の唯一の部下、側近プリケンはどこに消えた?
「全てはあなたが悪いのですぞ」
「殿下が変な野心さえ持たなければ......」
「私達も従順な部下でいられたのでそ......」
もう誰が話してるかわかんねぇよ。そもそも自分はあいつらを部下にしたっけ? なんでこいつらさも当然かの様に部下面してるの?
「つうかなに? お前達が反乱起こす系部下なのは分かったけど他の連中もそうなの? だからストレスが溜まっちゃうの?」
そうだったら相当魔界はやばいよ。終わってるよ?
「私など、まだ可愛いもんでそ」
「おらおらですぞ! 足下がおるおるお留守さんですぞ!」
「お前絶対潰すからな!」
さっきから戦ってるプリケンの戦法がウザい。足元を執拗に狙ってくる。
「そもそも我々魔族は識字率が低いでそ」
◇◇◇◇◇◇◇
識字率とは字が読める人の割合
◇◇◇◇◇◇◇
「なに? 識字率が低いから指示が届かないの?」
「いえ......それだけではなく......」
「くらえー! 殿下ああ!」
うわぁ!? 掴みかかってきた!? あぶね!
「チッ! 次はそうはいかないでそ」
「字が読めないどころか会話もできません」
「は?」
会話が出来ない?
「魔族のおよそ半数は異種族間コミニケーションができません。そういう種族を統治するのはマジ無理! に近いのですぞ」
「それは分かったけど......」
「とりあえず貴様は死ねぇ!」
「アギャーアアア」
「峰打ちだ」
少し手こずらされたがとりあえず一体撃破!
「殿下......成長なされましたな......」
「まさか!? 側近プリケン......これまでの戦闘は私の成長を確かめるために......」
流石だよ。やっぱり有能な部下だ。
「いえ全くそんな意図は無いのですが......」
『そうだろうよ!』
訂正、反乱系プリケンだったわ。
「なので、ぶっちゃけ力で押さえつける以外の統治方法がございません。そのせいで、やたらと反乱も多いでそ」
うん。私も現在進行形でキモい一族を力で押さえ込もうとしてるわ。反乱を現在進行形でされているから。
「裏切り部下だけでなく、定期的に送られてくる人間の勇者にも命を狙われます。なので魔王なんて、なってもろくなことないでそ」
そういえば私の爺ちゃんも勇者にやられたんだっけ......ううん、まだ魔界に救いはあるはず。
「勇者問題は人間と仲良くなればいいじゃん。国交結んで貿易とかをすればこんなの送ってこないでしょ」
そしたら魔界は救われて豊かになれるはずだ! そうでしょ?
「くたばれー! 殿下!」
おっと! 別のプリケンが襲って来やがった。またややこしいとめんどくさいが合わさった戦いの始まりか......
「またか!」
「人間と仲良く? 無理すぎて笑えるほどでそ」
は? こんな画期的な案をどうして?
「なんでよ」
「それは......」
◇◇◇◇◇
次回に続く